日経平均28,000円に再上昇するも方向感なく推移中…週明けどうなる?~2022年9月9日版~
先週、日経平均株価が27,000円台まで下落したと思ったら、今週後半、一気に上昇し、再び28,000円台を回復してきました。
このような状況を見て「これから日本株は、どちらに方向に向かうのか?」と不安な人はいますか?反対に、「ここから週明けは、もっと上昇だ!」と期待している人はいますか?
日経平均株価の動きは、先週に続き、再び方向感なく、どちらに動こうとしているのか、さっぱりと言って良いほど分からない状況に入っています。
そのようなこともあり、これから日本株がどう動こうとしているのか、疑問や不安に思っている方も多いかもしれません。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは8/26~9/8の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、先週とは違い、日経平均株価と株式市場全体の動向が”ほぼ連動している”週でした。
大まかに今週の状況を見ると、週の前半は株式市場全体が無風状態だったので、日経平均株価も横ばいに推移していました。
しかし、そのような中、若干ではありますが、9/7は株式市場全体の中では、無風状態ではあるものの、やや上昇傾向が優勢でしたが、日経平均株価は小幅下落しました。
そして、9/8には、日経平均株価と株式市場全体の動向が一致し、上昇傾向が見られました。
それをふまえると、今週の株式市場は、日経平均株価を基準に相場分析する投資家と、株トレンド指数を基準に相場分析する投資家に差異は、ほとんどなかったと考えられるでしょう。
唯一あるとすれば、週の前半の無風状態をどう捉えたかが、違っていた可能性はあります。
私たちのように株トレンド指数で相場分析する投資家にとっては、どの指数も目立った状態ではないので「今は無風状態だ」と明確に判断できたでしょう。
だから、ここではムリに売買をしても、利益を狙うことは難しいと判断することができたでしょう。
ですが、日経平均株価を基準に相場分析する彼らにとっては「どうして日経平均株価横ばいなのかが分からない」という状況だったと推測されます。
そこに、最近は円安の話でメディアが持ちきりなので、色々と余分な情報を入れて考え過ぎてしまい、よく分からない状況に陥っていたかもしれません。
ちょっとしたところですが、上のグラフを見ても分かる通り、このような無風状態は、何をしても利益を狙うことは難しいと判断し、何もしない選択をとれるのが良い判断だったのではないでしょうか。
このように、先週までは日替わりでトレンドが変わる状況でしたが、結果だけ見ると、9/8の上昇の前触れとなった無風状態が、今週の前半でした。
なお、9/8の上昇ですが、日経平均株価は約630円上昇したこともあり「大幅上昇だ!」と捉えた投資家もいるかもしれません。
しかし、実際は、%で見ると2.3%程度の上昇でしたので、まだ大きな上昇とは判断できないでしょう。
では、現状を詳しく理解するために、直近2ヶ月の状況を見ると、今週の株式市場は、日経平均株価を基準に見ると、横ばい状態から、一気に上昇しているように見えます。
日経平均株価は、一時29,000円に到達しましたが、その後失速し、現在に至ります。そのまま押し戻されて、再び一段低い位置でのボックス圏を推移する可能性もありましたが、9/8の上昇で、持ち直したようにも見えます。
先週までは、短期的な下落局面に入ったと判断しても良かったかもしれませんが、9/8の上昇で、まだ、ここからどちらの方向に動くか、方向感がなかなか難しいタイミングに入ったと読み取れるでしょう。
また、株トレンド指数の視点で見ると、直近2週間の無風状態に近い状態を9/8に一気に抜けたことが分かります。
ただし、まだ8月中旬の日経平均株価が29,000円を抜けたときのようなトレンドの発生状況ではないことが分かります。
特に、このような期間や大小に限らず、上昇トレンドになる場合は、天井指数と同時に、空売り指数も上昇してきます。
8月中旬の短期的な上昇トレンドでは、空売り指数も上昇していましたが、今週9/8の上昇は、空売り指数が、不自然なほど上昇していません。
これを見る限り、この上昇は、よほど突発的なものであったか、もしくは、これまでのデータ分析の傾向とは違った上昇が控えているとかんがられます。
ただし、後者の場合は、とてもまれなケースですので、基本的には、前者のよほどの突発的な上昇と捉えておくのが妥当でしょう。
このように先週までは、調整局面に見受けられましたが、今週は方向感がないものの、ここから何か起きるか、もしくは、このまま現状維持の調整局面に再び戻るかの分岐点にいると考えられるでしょう。
そのような状況をふまえると、まだ、どちらに株式市場全体が動き出すか、全く分からない状況です。よって、ここは先週と同じように、引き続き中立のスタンスは崩すことなく、方向感が出るまで様子見をしていくのが良いでしょう。
週明けのポイント
上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数「OVER指数」と、大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数「RISK指数」をふまえると、このようなポイントが読み取れました。
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
【上昇の可能性は?】
OVER指数の直近の動向を見る限り、週明けに上昇する可能性は、やや出てきていると考えられる。
数字だけで見ると、OVER指数は30に到達した。もし、9/9と週明けのOVER指数も、30以上を維持するようなことがあれば、ここから大きな上昇トレンドがある可能性が一気に高まるだろう。
反対に、9/9に29以下に失速するようなことがあれば、9/8の上昇は、突発的な上昇に過ぎず、相場全体を上昇に持ち上げるような上昇ではないと判断できる。
引き続きOVER指数を監視しつつ、特に9/9と週明けのOVER指数が30を連日超えるかを見て、ここからの上昇の可能性を判断するのが良いだろう。
(※引き続き、OVER指数の監視が必須)
【下落の可能性は?】
RISK指数の直近の動向を見る限り、先週に続き、暴落や大幅下落のリスクが、通常よりも高い状況に入っている。
暴落や大幅下落の抑制にもなっている空売り指数も、安全水準の10を下回った状況が続いている。危険水域には到達していませんが、一つのリスクとしては念頭に置くと良いだろう。
OVER指数が失速すると、株式市場全体を下方向に引っ張るパワーが優勢になるので、突発的に想定よりも大きく下落する可能性もある。
週明けは、早々に下落するリスクは小さいものの、OVER指数の動向次第では、上昇方向へ向かうパワーと下落方向へ向かうパワーのバランスが崩れ、下落する可能性もあると考えてRISK指数とOVER指数をあわせて見ていくのが良いだろう。
(※引き続き、RISK指数の監視が必須)
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2022/9/8(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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