来週の金融市場見通し(2024年4月22日~2024年4月26日)

2024/04/19

■来週の見通し

米連邦準備理事会(FRB)高官から利下げの判断を慎重に進める趣旨の発言が相次いでいることや、国際通貨基金(IMF)が公表した世界経済見通しで、2024 年の米国の成長率予想が大幅に引き上げられたことなどから、米利下げ開始が想定より遅れるとの観測が強まっています。他方、イスラエルとイランの対立を受け、中東情勢が一段と緊迫化しています。来週は、米個人消費支出などの経済指標に加え、米主要企業の決算、日銀金融政策決定会合なども確認しながら方向感を探ることになりそうです。

◆株価 : 短期的には売りが加速の可能性も

今週の日経平均は、米長期金利の上昇や中東情勢の緊迫化を嫌気し、2千円以上下落しました。来週も、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒などから下落基調が続く恐れがあります。歴史的な円安を抑制すべく、為替介入が行われ、円高が進行し、株価を押し下げる可能性もあります。ただ、外国人投資家が 2 週連続で日本株を買い越しているほか、先週から法人も買い越しに転じるなど、需給は良好なため、下値は限定的となりそうです。

◆長期金利 :中東情勢、日銀にらみ

米国のインフレ鈍化に一服感が出てきている中、FRBによる利下げ開始が遅れるとの観測から、米長期金利が上昇したことを受けて、国内の長期金利は一時0.885%まで上昇しました。ただ、中東情勢への警戒から安全資産とされる国債を買う動きが強まり、長期金利は低下に転じました。日銀金融政策決定会合では政策金利は据え置かれると見込まれますが、国債購入額の減額について何らかの示唆があるかが注目されます。

◆為替堅調地合いの中、波乱の可能性も 

ドル円は、じりじりと上値余地を模索する展開が見込まれます。堅調な米景気やインフレ率の高止まりを示唆する経済指標が散見される中、米早期利下げ観測が遠のいており、日米の金利差は依然強いドル買い要因となりそうです。日銀の介入警戒感は根強いものの、依然口先介入にとどまっており、ドル円は堅調な展開が続きそうです。とはいえ、実際に介入が実施されると、大きな値幅で乱高下が想定されることから、今後の展開は予断を許しません。

◆Jリート :一進一退

東証 REIT 指数は、割安感に着目した機関投資家の買いなどから上昇したものの、週後半は中東情勢への警戒でリスク回避姿勢が強まったことなどから、上げ幅を縮小しました。日銀が国債買入れの減額を急がないとの見方や中東情勢への警戒などから、長期金利の上昇が一服していることは安心材料です。引き続き、株価に比べた値ごろ感や資産価格と比べた割安感などから、底堅い動きが見込まれます。ただ、中東情勢には注意が必要です。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(4月) 4月26日(金) 8時30分発表

東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は3月に前年比2.4%上昇と、2月の同2.5%上昇から伸びが鈍化しました。政府のエネルギー価格抑制策を受け、光熱水道費が同5.1%下落したことがコアCPIを押し下げました。

4月のコアCPIも、前年比2%台の上昇率が見込まれます。教養娯楽費の価格上昇などが物価を押し上げそうです。今後も当面、賃金の引上げに伴うサービス価格上昇の動きも踏まえれば、コアCPIの上昇率は2%程度の水準で推移すると予想されます。

米個人消費支出(3月) 4月26日(金) 21時30分発表

2 月の米個人消費支出(PCE)は、前月比 0.8%増と前月より伸びが加速しました。PCE総合価格指数は前年比 2.5%上昇となり、前月から伸びが加速しました。他方、食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は同 2.8%の上昇と前月よりやや伸びが減速しました。

米連邦準備理事会(FRB)による利上げなどが個人消費の重しになるとみられますが、米労働市場は依然堅調であり、今後もインフレ率は高止まりしそうです。3 月のPCEは前月比 0.6%増程度、総合価格指数は前年比 2.6%程度、コア指数は同 2.7%程度の伸びが想定されます。

 

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https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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