メキシコの18年4-6月期GDP速報~景気、通貨の展望

2018/08/01
  1. 実質GDP成長率は前年同期比+2.7%、景気は持ち直しています。個人消費等内需が好調です。
  2. インフレ率は落ち着いている一方、慎重な金融政策が採られており、経済の安定に資すると見られます。
  3. NAFTA再交渉は大詰め、選挙通過で政治リスクも後退し、通貨ペソは底堅く推移すると見ています

各種経済指標が上向き

7月31日、INEGI(メキシコ国立統計地理情報院)が発表した18年4-6月期の実質GDP速報では、実質GDP成長率は前年同期比+2.7%でした。5期ぶりの+2%超と、メキシコ景気は持ち直しています。

GDPの内訳は未公表ですが、主な経済指標を見ると、小売売上高の4-5月平均は前年同期比+2.9%と、1-3月期の同+0.9%から加速しました。鉱工業生産は4-5月平均で同+2.0%と、四半期ベースで5期ぶりに前年比プラスに転じる可能性が高まっています。固定資本投資も4-6月期に入って以降大きく伸びています。IMFによると、年後半も+2%台の成長が続き、18年の実質GDP成長率は+2.3%と、17年を(+2.0%)を上回ると予想されており、その後も景気回復傾向がより強まると予想されています。

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慎重な金融政策スタンスと着実な景気回復が追い風に

景気持ち直しが鮮明化する中、インフレ率は安定しています。6月CPIは前年同月比+4.65%と目標の上限をやや上回っていますが、コアは+4%を割り込み、安定しています。一方、メキシコ中銀は、引き続きインフレ抑制優先の金融政策スタンスであり、年初から2回、0.5%利上げしています。これは通貨ペソの信任維持に貢献すると考えられます。

また、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉が大詰めに差し掛かっているほか、7月1日に総選挙が実施され、イベント通過で政治リスクは当面後退すると見られます。加えて、原油価格が1バレル70ドル程度で推移していることも、石油公社の収入増を通じて財政面でプラスに働くことが期待でき、いずれも、ペソにとっては追い風に働きやすいと考えます。

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