オーストラリア(豪)の7-9月期GDP統計と豪ドル相場の展望

2016/12/07
  1. 実質GDP成長率は前期比年率-1.9%と5年半ぶりのマイナス成長、公共事業の反動減が響きました。
  2. RBA11月の金融政策報告書で、引き続き緩やかな景気拡大が続くと予想しています。
  3. マイナス成長は一時的と見られ、豪ドルは対米ドルで下落したものの、早晩持ち直すと見込まれます。

地方政府の公共事業の反動減が主因

本日、豪統計局が発表した16年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率-1.9%(前期比-0.5%)と11年1-3月期以来、5年半ぶりのマイナス成長となりました。

影響が最も大きかったのは公共事業(公的固定資本投資)で、寄与度は-1.9%でした。また、外需(輸出-輸入)が-0.8%、企業の設備投資(民間固定資本投資)が-0.6%でした。一方、個人消費(民間最終消費支出)は+0.9%と、4-6月期(+1.1%)からは若干縮小したものの、底堅い推移でした。公共事業は国、地方問わず幅広く減少しましたが、特に地方政府で4-6月期からの反動減が目立ちました。RBA(豪準備銀行)が発表した11月の金融政策報告書では、商品市況の回復で貿易環境が改善する中、豪経済は緩やかな成長基調を維持すると予想しています。

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追加緩和の可能性低く、豪ドルは底堅い動き

GDP統計発表後、豪ドルは対米ドル、対円双方で下落し、対円では85円を割り込んでいます。しかし、商品市況の回復でインフレ期待が持ち直しつつあること、今回のマイナス成長が、公共事業の反動減による一時的なものであると見られること、などから追加金融緩和が実施される可能性は低いと見込まれます。

元来、商品市況との連動性が高い豪ドルが、このところの商品市況回復に対して出遅れ、対米ドルで割安感が強まっていることには変わりありません。GDPの内容は表面の数字ほど悪くなく、本日下落した分は早晩持ち直し、いわゆる「トランプ効果」による米金利先高観が一巡すれば、反発余地も出てくると思われます。

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