日経平均31,000円前後を推移し再び高値更新も射程圏に推移中…日本株いつまで上昇する?~2023年5月26日版~
日経平均株価が、今週5/23に年初来高値31,352円を更新しました。その後、やや下落し31,000円を割るも、再び高値更新も射程圏に推移しています。
こうなると、気になるのは「どこまで日本株は上昇するのか?」「いつまで、この上昇トレンドが続くのか?」ではないでしょうか。
利益確定による売りの可能性もありますが、直近の 「投資主体別売買動向」を見ると、個人投資家だけが大きく売りに出ています。
このデータを考慮すると「そろそろ天井なのではないか」と考え、手仕舞いを検討している方も多いかもしれません。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/5/12~2023/5/25の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違って、日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動している週”でした。
ただし、今の上昇トレンドが続く限り、日経平均株価と株トレンド指数の連動性は、あまり気にする必要はないでしょう。
例えば、先週のように株式市場全体が上昇基調である中で、日経平均株価と株式市場全体の連動性の有無は、大局的な相場分析するうえでは、ほとんど影響がありません。
ただし、それはあくまでも「大局的な」ことであり「細部」の分析には、影響が出てくる部分もあります。
具体的に見ると、それがちょうど今週に発生しました。今週は日経平均株価が年初来高値を更新しました。しかし、終値ベースでは、ほぼ横ばい状態です。
こうなると、心配になるのが「そろそろ天井ではないか…」ということでしょう。
おそらく、日経平均株価だけを見て相場分析している彼らにとっては、ここは難しい判断になるかと思います。
すでに、日経平均株価がこの数年では達したことがない水準に届いていることを考えると、そろそろ天井に到達し、ここで上昇トレンドが終焉するのではないかと思うかもしれません。
もしくは、日経平均株価が小幅に変動していることもあり、ここは「調整局面」なのではないかと考えることもできます。
このように、どちらの可能性も考えられるタイミングが今週です。そういった意味では、日経平均株価だけを基準に相場分析する彼らにとっては、今が「利益確定のタイミング」と考えているかもしれません。
それに対して、株トレンド指数も含めて相場分析する私たちも、同じように「天井」もしくは「調整局面」と考えるでしょう。
しかし、今週に限っては調整局面と考えるのが妥当でしょう。なぜなら、5/24にいったん各指数がほぼ同水準になり、トレンドが一時的にリセットされたのち、5/25に再び天井指数が上昇しているからです。
もちろん、上昇する確率は、順張り戦略を基準に考えると、40%程度なのでダマシである可能性は否めませんが、ここで上昇トレンドが終焉することは考えにくいタイミングでもあります。
このようにたった一つの指数ではありますが、まだ上昇の勢いが消えることなく、上昇の余地を残していることが分かります。
このような上昇から、今は「調整局面」と考えつつ、リスクとしてはダマシの可能性もあると判断することができるでしょう。
特に今は、直近の上昇により、日経平均株価がボックス圏を上抜けしたように見えますが、まだ完全には上抜けしていません。
それを考慮すると、再びここをボックス圏の上値に跳ね返される可能性も考えられますが、もう一段上昇し、ボックス圏を上抜けすることが想定されるでしょう。
なお、先週段階の天井指数の余力をふまえて日経平均株価で換算すると、さらに上昇する場合は、32,000円台、33,000円台まで到達することも十分に考えられます。
例年のこの時期の日経平均株価の傾向を見ると、ここが天井になることも考えられましたが、失速することなく、まだ上昇基調が続いています。
ダマシのリスクは常にあるものの、先週に続き、更に上値を狙う動きを想定することができるでしょう。
では、直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、先週までの上昇一辺倒が一服し、今週は調整局面に入っていると読み取れます。
株トレンド指数を見ると、天井指数の水準から、まだ上昇の勢いが残っていることが分かります。
ただし、上でもお伝えした通り、まだ長期のボックス圏を完全に抜けたわけではありません。
加えて、日経平均株価の上昇率が、調整局面ということもあり、引き続き1%未満が続いています。
日本株市場全体が上昇傾向に入ったとはいえ、まだドンと大きく上昇するような上昇が起きているタイミングではありません。
これから上昇する余地があるというと楽観視してしまいますが、先週に続きまだ手放しで喜べる状態ではありません。その点には、注意しつつ、ここからの上昇に期待して動向を見守りましょう。
なお、補足情報として、「投資主体別売買動向」も挙げておきます。株式市場の需給バランスは、外国人投資家が大きく「買い」に入り、上昇傾向をもたらしています。
日本の機関投資家は、「わずかに売り」、個人投資家は「大きく売り」の状態です。
もし、このまま外国人投資家の「買い」が維持された状態で、日本の個人投資家が「買い」に転じると、そのときは一気に上昇するでしょう。
そういった意味では、直近の株価の動向を握るのは、私たち個人投資家の動向だと考えられます。
ただし、個人投資家の動きはなかなかつかみにくい情報ではありますが、「投資主体別売買動向」などを参考にしながら、引き続き動きを見ていくと良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/5/25(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。(日経平均株価のみ5/19前場時点の状況も含まれています)
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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