日経平均3日続伸で42,000円突破も大幅上昇ないまま緩やかに推移中…日本株ここからどうなる?~2024年7月12日版~

2024/07/12

 

日経平均株価が高値更新し42,000円を突破しました。しかし、その数字ほどそのまま喜べないのが、私たち個人投資家の気持ちかもしれません。

過去に日経平均株価30,000円、40,000円と節目を体験しましたが、そのときも同じような状況だったのではないでしょうか。

いずれも明確な上昇トレンドが発生したことで、それらの水準に到達したというよりも、小幅上昇や突発的な上昇があったことで、いつの間にか到達していた印象です。

今回の42,000円突破も、イマイチ上昇の実感がないまま上昇するだけでなく、同じ1%の変動でも円単位での上昇幅大きくなり、その影響でこの水準に到達したと考えられます。

こうなると難しくなるのが、何を基準にして相場状況を捉えれば実態をつかめるかということでしょう。

そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/6/28~2024/7/11の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は日経平均株価と株式市場全体が”ほぼ連動している週”でした。もしくは”連動している”と表現してしまっても問題ないでしょう。

今週は全体として日経平均株価は週初めの7/8を除いては、小幅上昇が続きました。株トレンド指数もそれに連動して、上昇傾向を示す天井指数が目立ちしました。

しかしながら、その上昇傾向はそれほど大きなものではなく、先週と同程度の上昇にとどまっていることが上のグラフから分かります。

上のグラフの期間で見ると、先週の7/4が天井指数の最大水準「53」で、日経平均株価の水準が円単位で42,000円に到達した今週は最大でも「51」でした。

もちろん、この差はわずかではあるので、先週よりも上昇傾向が弱まったというわけではありません。ですが、ここから今週ニュースになった日経平均株価の高値更新は、あくまでも円単位の話に限ったもので、株式市場全体が上昇したわけではないことが分かります。

繰り返しになりますが、日経平均株価はこの水準までくると、同じ1%でも円単位の大きさが大きくなります。例えば、7/9は円単位で約800円上昇しましたが、その割合は2%未満にとどまっています。

しかし、円単位で見ると、この約800円の上昇がきっかけで、これまでなかなか突破することができなかった41,000円を上抜けし、そこから小幅上昇を重ねて42,000円も突破しました。

ですが、その42,000円突破の内訳も見ると約1.5%の上昇を小幅続伸で見せたことにより起きたものでした。

このように、これまで日経平均株価1万円、2万円、3万円手前の水準では見られなかった円単位での動きが出てきました。

そのようなこともあり、この水準までくると、円単位での表現は意味をなさなくなりつつあるのが現状です。だから、株トレンド指数では円単位で見るほどのインパクトはなく、先週と同程度の緩やかな上昇にとどまっていたと考えられます。

では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、ようやく横ばい状態を抜け出し42,000円まで上昇しました。しかし、ボックス圏をきれいに上抜けしたというよりは、緩やかに上昇を続けた結果として今の水準に到達したと読み取ったほうが妥当かもしれません。

また、この上のグラフの期間だけを見ると、きれいに上抜けしたような上昇ではないことから、まだボックス圏を抜けることなく、場合によってはボックス圏の水準が上がっただけかもしれない可能性もあります。

まだ、ここから本格的な上昇トレンドが発生するのか、ここで緩やかな上昇が止まりボックス圏の水準が上がる、もしくは再び下落し元の水準に戻るかの判断が難しい状況です。

日経平均株価に限っては、ここから最大でも2%などではなく、5%やそれ以上の上昇が1日単位で起きてくるかが、どのシナリオになるかのポイントになるかもしれません。

一方、株トレンド指数を基準に見ると、先週の段階では今週に本格的な上昇が起きることも考えられる動きをしていましたが、まだそのタイミングではないことが分かります。

前述のとおり、あくまでも今は天井指数の水準が先週も今週も同程度にとどまっています。また、もう少し期間を広げ上のグラフの全体の期間で見ると、日経平均株価の円単位の節目ほど株式市場全体にトレンドが発生していないことが分かります。

その点を考慮すると、やはり直近の日経平均株価の上昇は小幅上昇を繰り返した緩やかな上昇であり、まだボックス圏を上抜けするような勢いのあるものではないでしょう。

そうなると、現時点ではまだ予測が難しいところではありますが、週明けの株式市場の動きがどうなるかがポイントになるでしょう。

今はあくまでも緩やかな上昇ですので、週明けにこの上昇が収まるかもしれませんし、反対にここから本格的な上昇トレンドの発生に向け動き出すかもしれません。

しかしながら、それは今の時点では判断が難しいので、まずは週明け早々の動きを見てどうなるかを把握し、日々天井指数の動きを見ていくと良いでしょう。

なお、もしここから本格的な上昇トレンドが発生する場合ですが、そのときは週明けにいきなり発生することは考えにくいです。

上昇時のこれまでの傾向を見る限り、いきなり上昇するのは突発的な上昇であり、トレンドとして発生する場合の上昇は少しずつ上昇し、あるときに一気に上昇の勢いが高まります。

そして、その上昇は1ヤマだけではなく2ヤマ、3ヤマと続きますので、万が一1回目の上昇に乗り遅れても焦らずに次のヤマを待ちましょう。

一方、もしその1ヤマ目がくる動きが無ければ、引き続き緩やかな上昇を続けるか、もしくは再びボックス圏の水準が元に戻るような下落が起きる可能性があります。

先週の段階では、今週から本格的な上昇トレンドが発生するシナリオも想定されましたが、今週の動向を見る限り、その判断は来週に持ち越されたと考えると良いでしょう。

引き続き、ここからどのように動くのかを判断するのが難しい場面に来ていますが、これが2021年以降の株式市場の特性でもあります。そういった特性もふまえたうえで、引き続き週明けの動向を見ていきましょう。

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/7/11(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。

この記事の「株トレンド指数」を使うことで、相場の天井付近や底値付近を、できるだけ具体的に知ることができます。もし、あなたも実際に有効な「売買のタイミング」を習得したいなら、この記事で使用している『株トレンド指数(無料版)』を今すぐ手に入れてください。

 

この記事で使用している【株トレンド指数(無料版)】を受取るにはこちらをクリック

 

【無料】で『株トレンド指数(無料版)』を受け取るには、今すぐこちらをクリックしてください。

この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

<無料>高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック

【高橋佑輔の関連記事】

株式会社シナジスタ
なぜ「高値掴みする投資家」と「底値付近で買える投資家」がいるか?それは「値動きの法則」の知識の差です。その法則を使い、過去12年で11年間利益を上げる現役トレーダー高橋佑輔が相場を分析。法則を学び、底値付近で買える投資家を目指しましょう。
株式会社シナジスタの提供する、コラム・教育サービスは、投資に関する考え方の一例をご紹介するというものですので、その正確性や完全性等について保証するものではありません。 実際の投資はお客様のご判断・ご責任で行って頂くものであり、当社は、お客様の投資におけるいかなる利益も保証するものではなく、また、お客様の投資によるいかなる損害に対しても補償を行うものでもありません。 本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

このページのトップへ