トルコ大統領・議会選挙について~リラ相場への影響

2018/06/25
  1. 624日実施されたトルコ大統領選挙は現職のエルドアン氏が再選。与党も過半数を獲得しました。
  2. エルドアン体制は盤石となり、今後は積極的な経済政策見込まれますが、強権的な面が懸念されます。
  3. 政権の安定化で通貨リラは反発しましたが、エルドアン大統領の金融政策への姿勢が懸念材料です

政権安定確保

6月24日、トルコで大統領・議会選挙が実施されました。現職大統領のエルドアン氏は50%を超える得票率で、決選投票を待たずして大統領再選が決まりました。また、大国民議会総選挙では、与党連合・共和同盟の獲得議席数が343と、過半数(301議席)を超えました。17年4月に大統領の権限強化を柱とした、憲法改正が国民投票で承認されました。これを受け、改正憲法下でのエルドアン政権に対する信任を問うて、1年前倒しての選挙となりましたが、現政権に対する国民の支持の高さが確認されました。

これで、エルドアン体制は盤石となり、政権の安定が確保された形です。今後は、インフラ投資や社会福祉の充実など、積極財政を中心とした経済政策が推し進められることが見込まれます。一方、反対派に対する強権的な姿勢が続き、政治的自由が脅かされることが懸念されます。

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金融政策へ本当に介入するのか不透明

選挙結果を受け、リラ相場は反発しました。当面の懸念材料の出尽くし、政権安定の確保が好感されたと見られます。しかし、エルドアン大統領は、総選挙後にもトルコ中央銀行(以下、中銀)に対する利下げ要求など、金融政策への介入を公言しています。

したがって、リラ相場の反発もいくらか控えめです。中銀による果敢な利上げ(6月7日、16.5%→17.75%)によって、下げ止まったものの、大統領が本当に金融政策に介入すれば、リラには逆風となる可能性が高く、神経質な相場展開はまだ払拭されないと考えます。

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