米国雇用統計(1月)について~市場の反応と今後の展望

2020/02/10
  1. 1月の非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+22.5万人と、雇用は引き続き安定して増加しています。
  2. 時間当たり平均賃金は前年同月比+3.1%と底堅い動きが続き、米国の安定成長に資すると見られます。
  3. 新型ウイルスは波乱要因ですが、米国の景気回復期待から株価、ドル・円は底堅いと見込まれます。

安定した雇用、賃金の増加続く

2月7日、米労働省が発表した1月の雇用統計(速報)では、非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+22.5万人となり、2ヵ月ぶりに20万人を超えました。暖冬で建設業の雇用者数が大きく増加した(同+4.4万人)ほか、サービス部門の一部が堅調でした。失業率が前月比+0.1ポイントの3.6%ですが、これは、底堅い景気を背景とした求職者増加(≒失業者増加)のためで、雇用環境悪化を示すものではないと見られます。

また、民間企業時間当たり平均賃金は前年同月比+3.1%と、底堅く推移しています。総賃金(雇用者数や労働時間の変化も加味した賃金)も前月比+0.2ポイントの同+3.9%でした。これは、個人消費の底堅さを支え、米国経済の安定成長に資する動き見られます。

市場は景気回復期待>新型ウイルス

米国株式市場とドル・円相場は、新型ウイルスの感染拡大が波乱要因ですが、底堅い米国経済を前向きに評価する流れです。7日は、結局新型ウイルス問題が重しとなり、NYダウは前日比下落しましたが、景気回復に対する期待が根強く、今後、株価は上昇余地を探る展開になると見込まれます。

一方、ドル・円相場は1ドル110円近辺で小動きです。こちらも、米国景気の先行きに対する前向きな見方や、日本での新型ウイルス感染者拡大などが影響し、ドルが底堅い展開です。新たな地政学的、もしくは新型ウイルスに関しての重大なリスクが生じない限り、ドル・円相場は安定した推移が見込まれます。

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