フランス6月下院選挙と韓国新政権の要点整理

2017/05/11

市川レポート(No.390)フランス6月下院選挙と韓国新政権の要点整理

  • 6月下院選挙における「共和国前進」の獲得議席数は、マクロン政権の安定性を大きく左右しよう。
  • 韓国では文在寅氏が大統領に就任、第一歩が現実路線となったことは、市場にとって安心材料。
  • フランスは政策次第で支持率低下のリスク、韓国は米中関係次第で朝鮮半島情勢は不透明に。

6月下院選挙における「共和国前進」の獲得議席数は、マクロン政権の安定性を大きく左右しよう

フランス大統領選挙は予想通りマクロン氏の勝利に終わり、政局の焦点は6月11日と18日の国民議会(下院)選挙に移っています。現在、マクロン氏の政治運動「前進」は下院に議席を持っていないため、マクロン氏は「前進」を政党登録し(政党名は「共和国前進」)、下院577選挙区で公認候補をたてる方針です。今回の選挙では、「共和国前進」が、下院選挙でどれだけ議席を獲得できるかが焦点となります。

想定されるシナリオとして、「共和国前進」が、①過半数を獲得するケース、②過半数に届かず少数与党となるケース、③他の政党との連立政権となるケース、が考えられます。①では政権の安定運営が可能となりますが、選挙までの時間が限られているため不透明との指摘もあります。②では他政党との兼ね合いでマクロン氏が政策の修正を余儀なくされる恐れもありますが、共和党とは政策の類似点も多いため、③では政策運営上の衝突は小さいと思われます。

韓国では文在寅氏が大統領に就任、第一歩が現実路線となったことは、市場にとって安心材料

韓国では5月10日、革新系最大政党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏が第19代大統領に就任しました。文大統領は以前、「核問題解決に役立つなら、大統領当選後は米国より先に北朝鮮へ行く」と発言していましたが、同日の国民向け演説では、「必要なら直ちにワシントンへ行き、北京と東京にも行く」と述べ、平壌は「条件が整えば行く」として、言及の順位を4番目としました。

また文大統領は同日の夜、早々にトランプ米大統領と電話協議を行っており、韓国大統領府によれば、北朝鮮核問題などの解決に向けて両国が緊密に協力していく方針で一致したとのことです。米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備問題については触れられなかったようですが、少なくとも文大統領の第一歩が、親北路線ではなく、現実路線となったことは、市場にとってまずは安心材料といえます。

フランスは政策次第で支持率低下のリスク、韓国は米中関係次第で朝鮮半島情勢は不透明に

フランスと韓国の大統領選挙は、ともに市場の波乱なく終了しましたが、今後の展開次第では、両国の政局が市場で材料視されやすく、注意が必要です。フランスの場合、マクロン氏は法人税減税と労働市場改革など、共和党とも共通する企業寄りの政策を掲げています。痛みを伴う改革(解雇規制の緩和など)に国民が反発し、失業率の低下も思うように進まなければ、政権の支持率が来年以降大きく低下するリスクが高まります。

韓国の場合、文大統領は国内経済の立て直しに加え、安全保障問題にも取り組むことになります。新政権が北朝鮮との緊張緩和にあたり、米中とどのような関係を構築していくかは重要なポイントとなります。まずはTHAADの配備問題に関する米中との向き合い方が注目されますが、それぞれの主張が平行線を辿ったままとなれば、朝鮮半島情勢の先行き不透明感が市場で強まる恐れもあります。

 

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(2017年5月11日)

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