「じらし作戦」は改革ペース鈍化への警戒?

2017/05/26

今週の国内株市場ですが、日経平均は大体19,600円から19,800円の狭い範囲内での推移が続いています。目立った方向感は出ていませんが、日足チャートを眺めると、5月18日~19日の急落時に空けたスペース(窓)を埋めるような動きとなっているため、概ね堅調であると言えます。しばらくは、米国の動向(FOMCの利上げ観測や「ロシアゲート」疑惑)を中心とした海外の材料をにらみながらの展開が続きそうです。

 

米国に目が向かいがちではありますが、今週は久々にギリシャの債務問題を巡る報道が注目されました。その内容は、5月22日に開かれたユーロ圏財務相会合で、ギリシャの財政支援を巡って合意できず、6月の再協議に持ち越しというものです。

 

ギリシャは7月に約72億ユーロ規模の債務期限を迎える予定になっており、現在は債務返済の資金を確保すべく、国際債権団と追加融資や債務軽減を求める交渉を続けています。ギリシャ当局は、追加融資・債務削減の条件とされている、年金削減や増税を含む改革法案を先週の議会で可決するなどの頑張りを見せていたため、合意に至るのは近いと期待されていたのですが、結局は次回の協議までお預けとなってしまいました。

 

その背景にあるのは、あまりに簡単に合意してしまうと、債権国の自国内からの反発が予想されることや、ギリシャ自身の改革意欲が後退してしまうのではないかという懸念があるためです。ギリシャは債権団の「じらし作戦」によって、より具体的で長期的な財政再建への道筋や取組みを示していくことが必要です。

 

「じらし作戦」といえば、ここ数年間の6月になると、中国A株がMSCI新興国株価指数に組み入れられるかどうかという話題が登場します。実際に組入れが実現すれば、インデックス運用に伴う資金が中国株市場に流入することや、中国の金融システムの自由化が国際的なレベルに達したことを証明する機会になるのですが、なかなか実現しない理由のひとつとして挙げられているのは、「改革への取組みが鈍化するのではないか?」という警戒です。

 

いずれにしても、6月にギリシャ債務をめぐる合意ができるか、中国A株が国際的な株価指数に採用されるかが注目されますが、改革への意欲と取組みを継続できるかがポイントになりそうです。

 

 

 

 

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