IoHからIoTへ~FTとAIの活用

2017/04/24

・フィンテック(FinTech、FT)やAI(人工知能)で儲かる銘柄は何か。誰でも知りたいところである。デジタルトランスフォーメーション(DT)の新しい時代が始まっている。ヒトのコミュニケーションを便利にしたインターネット(IoH)からモノやコトのコミュニケーション(IoT)へ、通信が大きく広がっていく。

・DTのコアテクノロジーは、IoT、BD、AIなどにある。IoTでモノやコトの情報(データ)をどんどん集める。その情報はBD(ビックデータ)となるが、データを集めてもそのままでは宝の持ち腐れになりかねない。データをどう処理して活用するのか。

・従来はヒトが処理のプログラムを全て決めて、コンピュータに計算させていたが、データの特性を抽出して、自ら学習するディープラーニング(DL)という手法がAIの分野で大きく発展してきた。

・一方で、ブロックチューン(BC)という技術が普及しつつある。ビットコイン(仮想通貨)は、BCの技術を応用しており画期的であるが、BCの応用はビットコインに留まらず、さまざまな産業分野に広がりつつある。

・BCとは、取引データをブロックごとにまとめて、それをチェーン(鎖)状に繋げて記録していくことを意味する。ブロックごとに承認し、BCに参加する人々の間で、同じ台帳に記録し管理する。データを分散管理するが、全体はまとまっている。

・分散して保存するのでコストが安い。分散して管理しているので、障害に強く、安全である。ブロックごとに多くの人が関わっているので、データの一部に侵入して改ざんしてもすぐにばれる。よって、データ改ざんが困難で、使う人々に安心してもらえる。このような、低コスト、安全、安心というメリットがある。

・最も重要なことは、取引データをすべて正確に記録できる。お金(コインや紙幣)は、何ら裏付けはないが、みんなが信用しているので、売買取引の時に便利に使える。しかし、通常は誰がどのように使ったかは記録されていない。

・今のビットコインも、取引データを直接利用しているわけではないが、信用が保証され、送金に便利である。いちいちその国の通貨に交換しなくても使えるという利便性が認められ、早く、安く使えることが普及を促進している。

・エバーレッジャー(Everledger)社のC.Schibetta氏は、BCが現在のダイヤモンド取引から、次は美術品や保険に広がるだろうと話した。(CARF主催「2016フィンテック研究フォーラム」にて) BCの基本技術は、所有権の系譜(provenance)がすべてわかることにある。ラグジュアリー商品において、契約、認証、証明書などの履歴がすべてわかるようにできれば、その価値に対する信用力は大きく高まる。

・偽物ではない、不正取引でない、盗品ではない、不当な価格ではない、というようなことがわかるようになる。紛失した時の保険にしても、履歴が分かれば保証もしやすく、紛失品を公のマーケットで取引することはできなくなる。詐欺やサイバーリスクにも強い。

・エバーレッジャー社はBCを使って、ダイヤモンドの価値をトラッキング(追跡)することをビジネスにしている。BCによって、①データの修正や改ざんが出来ない、②複数の人々がその正当性を証明することになる、③データがリアルタイムに共有できるのでスピードが圧倒的に速い。取引情報がひも付なので、すべてトラッキングできる。ダイヤモンドの鑑定・認証からスタートして、次はジュエリー、芸術品に拡大しようとしている。

・別の分野をみると、例えば、ブルームバーグでは、機械学習(ML)の中で、自然言語処理(NLP)に力を入れている。まず英語で手掛けて、スペイン語や中国語に広げようとしている。テキストを抽出して、つなげたり(リンキング)、センチメントを判断したり(中立、ポジティブ、ネガティブを学習させて確率でカテゴライズ)、トピックを分類したりしている。また、短文のニュースの生成や、銘柄ごとの自動ニュースの作成も行っている。

・検索でグーグルが登場し、SNSでフェイスブックが生まれ、eコマースでアマゾンが台頭した。SBI大学院の藤原洋副学長は、1980年代以降に生まれた30代以下の若者は、デジタルネイティブという新世代で、彼らは既存の金融機関よりもITネットワーク企業への親和性が高いと指摘する。

・フィンテックはBCを使うことで、金融仲介機能がいらなくなり、偽装も難しくなるので、安全性、利便性は圧倒的に高くなる。但し、将来、量子コンピュータができてくると、この安全ネットワークも破られる可能性があるので、注意を要するとも警告する。

・BCの活用に当たっては、誰でも参加できるパブリック型(unpermissioned)と、特定の人々にしか参加できないプライベート型(permissioned)がある。金融ではビットコインは一定の役割は果たすとしても、パブリック型では、速い、安い、安全の3つを大規模に揃えることは難しい。そこで、日本のメガバンクは許可型のプライベートコインに力を入れている。

・一方、次世代の移動通信システムである5Gモバイルは、2020年ごろから本格化してくる。そうなると、超高速、低遅延、多接続が飛躍的なレベルで実現するので、IoTやBDの活用が一段と進み、AIやFTの応用分野も大きく広がってくる。

・SBI大学院金融研究所の藤田勉所長は、1)楽天はフィンテク分野ならアマゾンに対応できるかもしれない、2)自動運転において、トヨタはグーグルに差別化できるかもしれない、3)既存の金融機関はこのままでは生き残っていけないが、オープンイノベーションにはチャンスがある、4)いずれにおいても金融とITの融合が要である、と指摘する。

・AI革命において、日本株ではキーエンス、村田製作所、日本電産に注目せよ、というのでは新鮮味がない。これらの企業は一段と伸びる可能性を有しており、将来とも有望である。しかし、今着目したいのは、新しい企業の台頭である。

・まずは10銘柄のポートフォリオ作りを考えたい。IoT、BD、AIなどのデジタルトランスフォーメーション(DT)を担う新世代企業を探し、入れ替えていくことで投資を面白くしたいものである。

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