FOMC~今後の金融政策とドル・円相場の展望

2018/05/07
  1. 政策金利は1.51.75%で据え置き、政策スタンスは中立で、緩やかな利上げ継続が確認されました。
  2. インフレ率が+2%近傍に達し、中期的な目標近辺での推移に、当局は自信を深めています。
  3. 景気実態に沿った金融政策はドルに追い風で、当面は良好な景気が評価され、底堅いと予想されます

インフレ率はほぼ目標に到達と判断

1-2日、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれました。政策金利であるFF金利誘導水準は、1.5-1.75%で据え置かれました。委員会メンバーの経済見通しが発表される次回会合(6月12-13日)に向け、今後の金融政策スタンスを確認する会合でした。

委員会終了後に発表された声明文で目立ったのは、インフレ率が目標より低めに推移しているという旨の文言が、FRB(米連邦準備理事会)が目標とする+2%近傍で推移している、との文言に変わったことです。これは、FRBが、インフレ率がほぼ目標に到達し、安定的な+2%近傍での推移に自信を深めたことを意味すると考えます。ちなみに、4日発表された4月雇用統計では、完全失業率が3.9%と17年4ヵ月ぶりに4%を割り込み、インフレ率に対する当局の見方を裏付ける情勢であることが示されました。

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政策のバランスの良さを好感か

米ドル相場は18年に入り下落傾向でした。トランプ政権が打ち出す保護主義的ともとれる通商政策や、中東・朝鮮半島情勢の緊張などの政治的・地政学的リスク、好景気を背景にした米国での金融引き締め強化への警戒が、投資家をリスク回避に走らせました。

しかし、3月下旬頃からドルは持ち直しています。その背後には、上記のリスクがほぼ市場に織り込まれたことに加え、1-3月期の世界経済が減速しつつもおおむね底堅く推移し、経済への信頼感が増したことも背景にあると思われます。経済実態に沿った緩やかな利上げ継続ならばドルには追い風です。当面は米国景気の実態の良さに自信を深めながらも、前のめりを自重する金融政策スタンスといったバランスの良さが好感され、ドルは底堅いと見込まれます。

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