日経平均28,000円回復の勢いのまま続伸中…週明けさらに上昇の可能性は?~2023年3月9日版~
日経平均株価が、昨年12月以来ようやく28,000円を回復しました。そして、今週は続伸し、勢いが止まることなく、28,000円半ばまで上昇してきています。
この上昇を見て「このまま上昇が続き、29,000円まで回復だ!」と、ここから更に上昇することを期待している人はいますか?
反対に、長期のボックス圏が続いていますので「またボックス圏の上値で跳ね返されるでは…」と、ここからの下落を心配している人はいますか?
2月中旬から、日本株市場全体には上昇傾向がやや見られたものの、その傾向はあまり明確に出てきませんでした。
しかし、ここにきて、ようやく上昇への方向感が出てきていますこのままボックス圏を上抜けして、再び日経平均株価が30,000円に到達してほしいと思う人もいるかもしれません。
ようやく動き出した日本株市場ですが、ここからどのように推移する可能性があるのでしょうか。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/2/22~2023/3/8の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が”上昇傾向で連動している”状態でした。
ただし、上記の期間で日経平均株価の上昇率を見ると、約5%の上昇でしたので、日経平均株価を基準に相場分析している人にとっては、いまいち上昇の実感がない週だったかもしれません。
その一方で、「円単位」で日経平均株価を見て相場分析している人にとっては「約1340円の上昇」ということもあり、大幅上昇と錯覚したかもしれません。
日経平均株価に限らず本来であれば、変動率(%)で変動を捉えたいところですが、今週に限っては、円単位で捉えている人のほうが、やや正しい分析になったかもしれません。
しかし、ここで注意したいのは「やや正しい」と表現した部分です。先週から今週に掛けての上昇は、日経平均株価を基準に相場分析すると、株式市場のトレンドの把握がズレる週でした。
日経平均株価と株式市場全体が連動はしているものの、今週の株式市場で把握が難しかったのが「上昇の勢いがどれくらいか」ということでしょう。
日経平均株価を変動率(%)で捉えた場合は、上昇していることは理解できるものの「小幅上昇」を繰り返した結果、約5%上昇したこともあり、それほど上昇している実感がなかったのではないでしょうか。
反対に、日経平均株価を「円単位」で捉えた場合は、小幅上昇にとどまったときもありましたが「428円の上昇」など、円単位で捉える人にとってはインパクトのある数字があります。
しかも、結果として2/22と3/8を比較すると「約1340円の上昇」を見せています。このようなこともあり、円単位で捉える人にとっては、とても大きな上昇が起きているように感じたかもしれません。
では、株トレンド指数で見ると、株式市場全体は、どのような状態だったのでしょうか?
株トレンド指数で見ると、上記のグラフの期間の株式市場は「大幅上昇の準備段階」と捉えることができました。つまり、小さな上昇と大きな上昇のどちらでもありません。
今は、あえて言うなら中程度から、その手前の上昇の段階で、ここで失速するか、さらに上昇するかの分岐点にいると読み取れます。
よって、日経平均株価を変動率(%)で捉えるよりは大きく上昇し、円単位で捉えるよりも小さく上昇しているのが、株トレンド指数で読み取れる状況です。
そして、ようやく節目となる日経平均株価28,000円を回復し、そのまま上昇を続け半ばまで上昇してきていますので、さらに上昇への期待ができるタイミングだと考えるでしょう。
ただし、繰り返しになりますが、あくまでも今は「分岐点」です。上昇時には「ダマシ」という言葉があるように、これがダマシである可能性も十分に考えられます。
現時点では、どちらに進むか判断ができないですが、株トレンド指数を見る限り、今は上昇していないわけでも、大幅上昇しているわけでもなく、これから次の展開が控えている状況だと読み取れます。
このように、先週から今週に掛けては、日経平均株価を変動率(%)基準で捉える人、円単位で捉える人、そして私たちのように株トレンド指数で捉える人で、同じ上昇でも現状の把握が違っていました。
では、現状を詳しく理解するために、直近2ヶ月間の状況も見ると、今週の株式市場は、日経平均株価を基準に見ると、やはり上昇していると読み取れます。しかも、28,000円半ばまで上昇したのは、昨年9月中旬以来です。
28,000円前半であれば、昨年12月にありましたが、半ばまで到達したのは約半年振りです。
また、株トレンド指数を見ても、上昇傾向を示す天井指数が大きく目立っています。よって、こちらからも上昇傾向にあることが読み取れるでしょう。
こうなると、ここからのポイントは2つでしょう。1つ目のポイントは「ボックス圏を上抜けするか」です。2つ目のポイントは「今週の上昇がいつ終わるか」です。
まず、1つ目のポイントから見ると、上記のグラフでは日経平均株価がボックス圏を上抜けしたようにみえますが、依然として抜けきれていません。ようやく昨年11月頃の水準まで回復した状態です。
ここは2つ目のポイントとも関連しますが、今週の上昇がここで終わると、ボックス圏の水準はやや上がったものの、再びボックス圏の上値で跳ね返されます。
ここからも、上記の通り、次の展開がどうなるかの分岐点に来ていることがわかります。
また2つ目のポイントの今週の上昇がいつ終わるかですが、この上昇は株トレンド指数で見る限り、今週後半で終わってもおかしくありません。
株トレンド指数のデータ分析では、天井指数が170付近までいくと上昇トレンドが収束する基準がありますが、今のような上昇の大きさの場合は、70付近をピークに収束する傾向が見られます。
その一方で、一度収束したのちに、今回よりも大きく再上昇する傾向も見られます。そういった意味では、今週後半に、この上昇が収束するのか、それともジリジリ続くのかが、今後の展開を決めるでしょう。
このように、どちらも考えられることを並べてしまいましたが、上昇時は順張り戦略の勝率を基準にすると、「上昇する確率40%、下落する確率60%」なので、とても判断が難しい状況です。
これから上昇の可能性があると、いち早く仕込みたい気持ちもあるかもしれませんが、まだダマシの可能性がある段階です。
くわえて、もしここから大きく上昇する場合は、大きな上昇が想定されますので、無理にここで仕込まなくても、上昇を開始してからでも間に合います。
ですので、ここで決して慌てることなく「分岐点」であることを十分に捉えて、今週後半の動向を見ていくのが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/3/8(水)の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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