また日経平均27,000円割れで方向感がない日本株…週明けどうなる?~2022年5月27日版~
「もう…いいから早くはっきりして欲しい」「また日経平均株価27,000円割れか…」と方向感が全く見られない株式市場に、徐々にストレスを感じている人はいますか?
全く反対に「日経平均株価26,000円割れがないから、これから株価は上昇だ!」と、ここからの上昇に期待をしている人はいますか?
先週に続き、今週も日経平均株価を基準に日本株市場を見ると「上昇した分だけ下落し、下落した分だけ上昇」と、ボックス圏を象徴するような動きを見せています。
ここから日本株は、どうなるでしょうか?そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは5/13~5/26の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、先週のような空売り指数が各指数の中で、最も大きな水準になることはなかったものの、ボックス圏を象徴するような動きでした。
そのようなこともあり、日経平均株価の動向と株式市場全体の動向が、ほぼ一致している週でした。
ただし、日経平均株価を基準にトレンドを捉えている投資家にとっては、ボックス圏特有の動きである、日々方向感がない動きに惑わされることになったかもしれません。
なぜなら、日経平均株価の上下ほど、株式市場全体は動いていなかったからです。
株トレンド指数を見ると明確でしたが、今週は、先週よりもトレンドが発生していないうえ、先週同様に、各指数が、ほぼ同水準でした。
その中で、水準が高いものではなく、勢いがなくなり水準が低い指数があると、他の指数が構成するトレンドに動く状況でした。
つまり、株トレンド指数でトレンドを捉える投資家にとっては「完全なボックス圏」=「方向感がない」と、明確に捉えることができたと考えられます。。
しかし、日経平均株価を基準に捉えてしまうと、仮にボックス圏と分かっていても、日々どちらのほうこうに向かうか分からない動きに翻弄されたでしょう。
日経平均株価の推移を見ると、まさに「M字型」の推移をしています。結果的にはボックス圏であることが分かりますが、私たちのように株トレンド指数の存在をしらない投資家にとっては、何とも耐え難い動きだったかもしれません。
直近2ヶ月の状況を見ると、今週の株式市場も、引き続きボックス圏を推移していることが分かります。
日経平均株価を基準に見ると、5月前半の下落を底値に再び下落前水準に戻り、ここからもう一段上の水準に向かおうとしているようにも見えます。
しかし、この2ヶ月間の動向を見ても分かる通り、ボックス圏を推移しながら、少しずつ下落しているか、もしくは、再び3月下旬の水準に向かおうとしているようにも見えます。
株トレンド指数を見ても、直近は局部的に見ると上下している日もありますが、5月だけをみても、それほど目立ったトレンドが発生していないことが分かります。
むしろ、5月はどのトレンドもほぼ同じ水準になり、これから市場が動こうとしているものの、全く方向感がない状態だと読み取れます。
それをふまえると、ここから株式市場全体に動きがあることを期待したいところでもあります。
しかし、前提はあくまでもボックス圏ですので、日々この株トレンド指数を見ながら、市場を牽引するような指数が出現するか見ていく必要があるでしょう。
日経平均株価が26,000円割れからは回復したものの、27,000円まで回復せず、再びどちらに向かおうとしているのか、方向感が出ていない状態です。
よって、引き続きボックス圏を意識し、その特性である日々方向が変わることを考えながら、株式市場の動きを見ていくのが良いでしょう。
週明けのポイント
上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数「OVER指数」と、大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数「RISK指数」をふまえると、このようなポイントが読み取れました。
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
【上昇の可能性は?】
OVER指数の直近の動向を見る限り、週明けにやや突発的な上昇の可能性も見られるが、楽観的に期待して良い状況ではないと考えられる。
先週も週明けに反発する可能性は、五分五分と読み取ったが、今週も同じような状況である。
しかし、今週は先週よりは、下落へのパワーが大きくなったようにも見える。ただし、それはどちらかと言うと、その可能性があるという読み取りなので、基本的は、ボックス圏を象徴するように、上昇のパワーと下落のパワーが均衡していると読み取れる。
よって、もし週明けに突発的な上昇があっても、それは上昇トレンドを示す上昇ではなく、あくまでもボックス圏の中での急上昇で、すぐに反落することを想定しておくと良いだろう。
(※引き続き、OVER指数の監視が必須)
【下落の可能性は?】
RISK指数の直近の動向を見る限り、週明けに大幅下落や暴落が起きることは低いと考えられる。
ただし、やや気がかりなのは、RISK指数が先週よりも上昇している点である。
今は、株式市場全体を上昇に向かうパワーがあるので、下落へのパワーが打ち消されて下落へ向かわないが、上昇のパワーが失速すると、下落方向へ向かう可能性がある。
やはり、ボックス圏を象徴するように、上下のどちらに動くか分からない状況であることが、このRISK指数からも読み取れる。
そういった意味でも、引き続きRISK指数やOVER指数を監視し、ボックス圏を抜ける動きがないか日々見て行く必要があるだろう。
(※引き続き、RISK指数の監視が必須)
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2022/5/26時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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