FRBの金融政策と米国経済の見通し

2022/03/25

FRBの金融政策と米国経済の見通し

  • 先週のFOMCと今週のパウエル議長発言で市場に対し積極利上げの強いメッセージが発信された。
  • 弊社利上げ予想は回数と時期が不変、今年5月と6月の利上げ幅を0.25%から0.50%へ変更。
  • 積極利上げが来年の米経済成長に影響する可能性はあるが、スタグフレーション懸念は行き過ぎ。

先週のFOMCと今週のパウエル議長発言で市場に対し積極利上げの強いメッセージが発信された

弊社は3月15日、16日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、3月21日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演内容を踏まえ、米金融政策の見通しを変更しました。先週のFOMCは、「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」で、2022年は7回、2023年は3.5回、2024年は0回の利上げ(0.25%)が適切との見方(昨年12月時点では順に3回、3回、2回)が示されるなど、かなりタカ派的な内容でした。

パウエル議長の講演は、全米企業エコノミスト協会(NABE)の会合で行われましたが、必要に応じて迅速に行動し、中立金利を上回る引き締めも辞さないとの見方が確認されました。パウエル議長はまた、1会合ないし複数の会合で、0.25%超の利上げが適切との結論に至れば、そのように行動し、5月のFOMC会合で0.5%の利上げを妨げる要素はないと述べ、さらに積極的な利上げ姿勢を示しました。

弊社利上げ予想は回数と時期が不変、今年5月と6月の利上げ幅を0.25%から0.50%へ変更

米利上げについて、弊社はこれまで、2022年は全FOMC会合で実施(3、5、6、7、9、11、12月の7回)、2023年は3月と6月の2回、2024年は0回、と予想していました(利上げ幅は全て0.25%)。今回の見通しの変更では、利上げの回数と時期は維持するものの、前述の通り、米金融当局から積極利上げのメッセージが発信されたことを受け、2022年5月と6月の利上げ幅を、0.25%から0.50%に引き上げました(図表1)。

弊社の予想通り、フェデラルファンド(FF)金利が引き上げられた場合、FF金利の誘導目標は来年、2.75%~3.00%に達し、中立金利とされる2.375%を大きく上回ります。市場の織り込みも、3月24日付レポートで解説した通り、ほぼ同じ状況となっています。なお、バランスシートの縮小について、弊社は5月のFOMCで実施が決定され、5月半ば、もしくは6月初めに縮小が始まると予想しています。

積極利上げが来年の米経済成長に影響する可能性はあるが、スタグフレーション懸念は行き過ぎ

利上げに関する弊社の予想も市場の織り込みも、FF金利が来年にかけて中立水準を大きく上回ることを想定しており、また、米10年国債利回りも足元で2.4%に達してきたことから、米金融当局の積極利上げの意図は、市場参加者の間に十分浸透したものと思われます。そのため、この先、実際に0.50%の利上げが実施された場合でも、株式市場に動揺が広がるような事態は回避されるとみています。

米国経済については、弊社予想に沿った利上げが行われた場合、耐久消費財や住宅関連にある程度、影響が及ぶことが見込まれます。そのため実質GDPの見通しのうち(図表2)、2023年の成長率が小幅に低下することも想定されます。ただ、それでも、先週のFOMCで示された長期均衡水準である1.8%を大きく下回ることはなく、米国がスタグフレーションに陥るとの懸念は行き過ぎと考えます。

(2022年3月25日)

 

市川レポート バックナンバーはこちら

http://www.smam-jp.com/market/ichikawa/index.html

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
市川レポート 経済・相場のここに注目   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
主要国のマクロ経済や金融市場に関する注目度の高い材料をとりあげて、様々な観点から分析を試みます。
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものであり、投資勧誘を目的として作成されたもの又は金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ