株価、ドル・円急落を受けた今後の見方

2016/02/12
  1. 日経平均株価終値は16000円に近付く急落、ドル・円相場は1411月以来の115円割れです。
  2. 一部の欧米企業の信用不安が世界経済への不安を拡大させ、市場のリスク回避姿勢が強まりました。
  3. 日本の株安は急激なドル安・円高からきており、ドル安・円高はほとんどが外的要因とみられます。
  4. 当面の注目点はFRBの政策スタンスで、世界経済の情勢を十分加味するかどうかがカギでしょう。
  5. 日本株はPERPBR双方とも大きく低下し、円高の業績への影響等考慮しても割安水準と思われます。

欧米企業の信用不安をきっかけに市場のリスク回避姿勢が急拡大

本日、日経平均株価は前日比918.86円安(-5.4%)の1万6085.44円と、1月21日に記録した年初来安値1万6017.26円に近付く急落となりました。また、ドル・円相場も大幅なドル安・円高となりました。本日3時時点では114.70円近辺で推移しており、前日の同時間に比べて2.5円を超える円高となっています。

8日の欧米時間で、一部の欧州銀行や米国エネルギー企業に対する信用不安から、欧米の社債が売り込まれ、信用リスクが拡大しました。これが、金融危機の再来を伴った世界経済への不安につながり、投資家のリスク回避姿勢を強めました。この結果、市場から安全資産と見なされている円が全面的に買われる流れが強まりました。一方でドル安になったため、米株式の下落はそれほど大幅ではありませんでした(NYダウは前日比-1.1%)が、大幅な円高が日本企業の業績悪化への警戒につながる形で、日本株をさらに押し下げる動きとなりました。

 

狼狽(ろうばい)的な市場心理の沈静化が待たれるものの、日本株は割安となり底値拾う機会も

このような局面では、とにかく目先のリスクを回避するという狼狽(ろうばい)的な市場心理が働き、市場の動きを大きくしてしまうため、まずは市場心理が落ち着くことが必要です。そこで、米金融当局のスタンスは今後重要になってくると思われます。FRB(米連邦準備理事会)は年4回程度の利上げペースを今のところ変えていません。一方、米国経済減速に対する市場の警戒感は強まっており、年内利上げなしという見方も出てきています。こうしたなか、FRBが市場との見方の隔たりを埋める試みをしないままだと、混乱を長引かせる恐れがあります。

日本株は、円高進行で企業業績に対する警戒感が強まっていることも下落の一因ですが、バリュエーションを見る限り割安になっていることは否めないところです。本日終値ベースのPER(株価収益倍率)、PBR(株価純資産倍率)はそれぞれ12.0倍(12カ月先ベース)、1.09倍(実績)(いずれもTOPIXベース)となっています。また、東証1部のPBR1倍割れの銘柄数の割合も15年9月以来の50%超えとなっており、底値を拾うチャンスが出てきていると思われます。

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