5月25日妥当レンジ 23,100円~25,000円
北朝鮮、米自動車関税、欧州経済・スペイン・イタリア

2018/05/29

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

 

<市場は揺れるが、悪抜けすればポテンシャル大きい>

■北朝鮮問題が引き続き揺れている。24日にトランプ大統領は6月12日の米朝首脳会談の中止を発表。26日に電撃的に北朝鮮と韓国は2回目の首脳会談を実施。同日、トランプ大統領は「6月12日に(米朝首脳会談を)シンガポールで開くことを目指している」と発言。米朝の水面化での交渉は続いていると考えられ、蓋を開けて見なければ結果は分からないが、一旦は中止が発表されただけに開催されれば大きなプラスのインパクト(中止になっても大きなマイナスにはなりにくい)。
■23日に複数の米メディアが米政権が安全保障を理由に自動車の関税引上げを検討していると報じた。最大25%に引き上げる案を視野に入れているという。これはNAFTAをはじめとした通商交渉を優位に進めようとの戦術との見方もあり、落としどころを模索してゆくことになると考えられるが、自動車関連株にとっては逆風である。
■中国は米国からの輸入拡大推進のために、欧州からの輸入を振り替えるとの見方が出ている。このところの欧州経済はやや停滞しており、ECBの出口戦略の見直しの可能性も示唆されている。また、スペインではラホイ首相の退陣要求が強まり政権交代や再選挙の可能性が浮上。イタリアでは大統領がユーロ会議派の財務相指名を拒否し、政権発足が暗礁に。こちらも再選挙の可能性も指摘されている。
■今週は、ADP雇用統計(30日)、ISM製造業景気指数(1日)、雇用統計(1日)と米国経済指標の発表が予定されている。6月のFOMC(6/12-13)での利上げを占う意味で注目されるが、利上げはある程度は織り込み済みなので市場予想から大きく乖離しない限りは穏やかな受け止められ方をすると考える。いすれにしても足もとは、地政学リスクや通商問題のほうがより強い影響を持つものと考える。
■5月25日時点のIFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、来期・再来期ベースで前週比プラス。決算が一巡した後でも「コンセンサスDI」(前週比プラスになった企業数の比率)が高水準を確保していることはプラスの評価。リスクが後退する局面では急上昇する可能性もあるので、引き続き押し目は積極的に拾ってゆきたいと考える。

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

23,100円~25,000 (前回23,400円~25,300円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(5月25日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(5月25日)

今期予想EPS 1363.96 (前週 1364.06円)
来期予想EPS 1568.93 (前週 1565.37円)
再来期予想EPS 1617.12 (前週 1605.04円)
今期予想PER 16.46 (前週 16.81倍)
来期予想PER 14.31 (前週 14.65倍)
再来期予想PER 13.88 (前週 14.29倍)
来期予想PBR 1.17 (前週 1.21倍)
来期予想ROE 8.18% 前週 8.24%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.78% (前週 7.76%)

5月25日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出




図1再来期予想が、自動車、化学、情報通信などのプラスで伸びる。再来期予想が上方にシフトするようであれば、本格的な強気相場も期待できる。

 


図2来期予想ベースのプラス企業比率は、 68.544.969.559.3%→54.1
再来期予想ベースのプラス企業比率は、62.251.7%→63.061.562.4
決算発表終了後も高い水準をキープ。昨今の円安が織り込まれてきた結果だろうか?いずれにしてもポジティブな状況。

 

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2014年1月から表示

 

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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