3月4日妥当レンジ 16,700円~18,050円
米国堅調と思惑から上昇も、業績見通しは下方トレンド

2016/03/08

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

<先週の大幅高の反動で今週は調整か>
■先週の日本株の大幅上昇(週末比較で+826円)は、米経済指標の好調と、補正予算や消費税率引上げの再延期を視野に入れた思惑が大きな要因であった。米経済指標は、ISM製造業指数(1日)、ISM非製造業指数(3日)、雇用統計(4日)ともに市場予想を上回って着地。米国経済に対するリセッション懸念が後退したことや、原油価格の上昇を受けて世界的に株価が上昇した。日本株に関しては、安倍首相による専門家や有識者で構成する「国際金融経済分析会合」の設立表明が、消費税率引上げの再延期のお墨付きを得るため、5月にも大型補正予算を策定するなどの思惑に繋がった。
■今週は、10日にECB理事会が予定されており、追加緩和の実施が見込まれている。緩和策が不十分であれば失望に繋がる可能性、また緩和が行き過ぎた場合には金融市場の動揺を誘う可能性もあり、注意が必要と考える。いずれにしても、日本株は(財政出動に関しての新たなニュースが出ない限りは)先週大幅高の反動からの調整を予想する。
■7日に1月の景気動向指数が公表され、CI一致は+2.9ポイントとなったが、中国の春節の影響(前倒し)が出ていると考えられるため2月の数値を確認する必要がある。CI先行は▲0.4ポイント。

 

<コンセンサス予想EPSが3週連続で全期間マイナス>
■3月4日時点のIFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、3週連続で全期間においてマイナスとなった。前週比で予想EPSがプラスになった銘柄の比率は、来期ベース30.3%、再来期ベース26.8%とアベノミクスが始まってから最低を更新している。
■12ヵ月フォワード予想EPSをベースとした予想PERは15.86倍。今後も業績見通しの下方トレンドが続くと見られることから実質的には16~17倍の水準と考えたほうが良さそうである。現時点のコンセンサス予想をベースにすればまだ割安感があるが、引き続き慎重なスタンスが必要と考えられる。

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

16,700円~18,050円 (前回16,100円~17,400円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(3月4日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(3月4日)

今期予想EPS 965.89 (前週 978.80円)
来期予想EPS 1098.60 (前週 1100.18円)
再来期予想EPS 1187.48 (前週 1195.12円)
今期予想PER 17.62 (前週 16.54倍)
来期予想PER 15.49 (前週 14.71倍)
再来期予想PER 14.33 (前週 13.55倍)
来期予想PBR 1.09 (前週 1.03倍)
来期予想ROE 7.04% 前週 7.02%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.91% (前週 7.02%)

*3月4 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

 

図1まだ割安感は強く残るが、企業業績見通しの下方トレンド続く

 

図2来期予想ベースのプラス企業比率は、 44.7%→40.3%→33.3%→34.9%→30.3%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、42.9%→40.0%→38.8%→31.9%→26.8%。

アベノミクス後では最低水準に

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

図3下方トレンドが続く

 

 

図4今後の予想EPSの下方トレンドを考慮した場合には、現在の水準はPER1617倍か。

 

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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