日本株~ここからの相場展望

2017/05/29

市川レポート(No.396)日本株~ここからの相場展望

  • 日本株の上値を模索する動きは継続とみる、その理由は国内経済の底堅さと企業の増益見通し。
  • さらに春先以降、目白押しだった世界的な重要イベントが無難に消化、これも日本株の追い風に。
  • 日経平均2万円はトランプ政策見極めと円相場の円安方向での安定が必要、今後3カ月に注目。

 

日本株の上値を模索する動きは継続とみる、その理由は国内経済の底堅さと企業の増益見通し

日経平均株価は5月16日の取引時間中に19,998円49銭をつけ、2万円まであと1円51銭に迫りました。ただその後はいったん調整が入り、19,000円台後半での推移が続いています。日経平均株価について、昨年の米大統領選挙後から足元までの動きをみると、トランプ政策への期待で「株高」→期待一服で「横ばい」→地政学リスク浮上で「株安」→地政学リスクと欧州政治リスク後退で「株高」、となっています(図表1)。

このように、日経平均株価はかなりの値幅を伴いつつも、ならしてみれば上値を模索する動きが続いていると考えられます。その理由として、国内経済の底堅さや、企業の増益見通しが挙げられます。弊社では、国内経済は年率0.7%程度とみられる潜在成長率を上回る成長がしばらく続くとみており、また弊社が調査対象とする221社(除く金融)の経常利益について、今年度は前年度比+16.4%を予想しています(図表2)。

 

さらに春先以降、目白押しだった世界的な重要イベントが無難に消化、これも日本株の追い風に

また、春先以降は世界的に重要イベントが目白押しでしたが、いずれも市場で無難に消化されたことは、日本株の追い風になったと思われます。例えば、フランス大統領選挙では、予想通りマクロン氏が勝利し、欧州の政治リスクが大きく後退しました。朝鮮半島を巡る緊張は依然続いていますが、関係諸国が軍事衝突を回避しながら駆け引きを続ける展開は、すでに織り込み済みと思われます。

トランプ政策も今のところ市場の大きな波乱要因にはなっていません。対日および対中の通商政策では、為替問題が前面に打ち出されることはなく、個別分野の交渉が進む見通しです。米予算教書はやはり議会の現実的なプランを待たざるを得ませんが、景気対策への期待は市場に残ります。またロシアゲートについては、共和党多数議席の中で、トランプ米大統領罷免の可能性は低く、万が一の場合は、政治経験が豊富なペンス副大統領が大統領に昇格します。

 

日経平均2万円はトランプ政策見極めと円相場の円安方向での安定が必要、今後3カ月に注目

日本株が上昇基調を強め、日経平均株価が節目の2万円を回復するには、①トランプ政策の日本企業への影響を見極めること、②米国の底堅い成長と利上げ見通しを背景にドル円相場がドル高・円安方向で安定すること、が必要と考えます。①については、早ければ6月から7月の米議会における予算審議で、景気対策の規模や法人税の国境調整の最終的な取り扱いなどを確認し、日本企業への影響を考えることになります。

②について、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げはほぼ織り込み済みですが、今回はイエレン議長の記者会見が行われ、FOMCメンバーによる経済見通しも公表されます。この際、市場で追加的な利上げやバランスシート縮小開始の織り込みが進めば、米長期金利と米ドルが緩やかに上昇し、ドル高・円安の進行による日本株の押し上げが期待されます。以上を踏まえれば、この先3カ月程度で日経平均株価が2万円を回復しても違和感はないと考えます。

 

 

 

170529図表1170529図表2

 

 

(2017年5月29日)

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