FM 今週のポイント(2月23日)

2015/02/23

*先週の国内株式市場は堅調に推移しました。日経平均株価は15年ぶり、何と2000年5月以来の水準を回復しています。NTレシオは依然として低下を続け12.21倍です⇒TOPIX主導の相場上昇です。外国人投資家のTOPIX先物の大量買戻しがきっかけと思われますが、メガバンクの上昇が止まりません。1月のワーストパフォーマー(外国人投資家、国内ファンドも競ってポートフォリオから外した)の逆襲はアクティブファンドマネージャーを動揺させるに十分な出来事でした。折しも金利上昇(長短スプレッドの拡大)からファンダメンタルズ的にも銀行株の上昇が説明できる環境になったこともあり(少し無理がある)、日に日に買戻しの勢いが大きくなりました。週末近くになりさすがにリバーサル相場で大きく下落していた好業績優良銘柄に触手が伸びて一息ついた感じです。

*15年ぶりの高値を演出した背景として外部環境の落ち着きと国内好需給が挙げられます。ギリシャ問題は終始楽観的見方がコンセンサスです(ギリシャ政府は19日、ユーロ圏諸国に対して、6カ月間の融資延長を正式に申請した。しかし、金融支援の条件となっている財政緊縮策の継続を約束していないため、ドイツは融資延長に難色を示している⇒ただし、ギリシャ・EU双方とも時間稼ぎをしているだけで決定的な決裂、ギリシャのユーロ離脱には至らないとの見方が大概)。ウクライナ情勢も停戦合意が遵守されるか否か微妙なところですが、欧米とロシアの対立が先鋭化する気配はありません。原油価格も底値圏を形成しつつあり(3週連続高は昨年6月に下落が始まってから初)、ヘッジファンド等の損失も緩和されています。国内需給においては信託銀行経由の買いが継続しています(2月第2週は1123億円買い越し、今年に入って6週連続トータルで7039億円買い越し)⇒GPIF等の年金基金に加え、自社株買いが積極的に実施されています。日銀によるETF買いも年間で3兆円が保証されており(量的質的金融緩和が継続する限り)下値硬直性が一段と強くなっています。

*今後の展開ですが、暫くは堅調な相場状況が続くものと思われます。TOPIX主導の買戻し&出遅れ物色か外国人投資家の参戦による外需好業績優良銘柄群主導になるのか、まだ解りません。前者ならNTレシオの低下が継続、後者なら急反発というところです。アクティブファンドマネージャーとしてはNTレシオの急反発を望みたいところです。米投資ファンド、サード・ポイントが9日付の投資家向け書簡でファナック株取得を明かし、自社株買い等の株主還元策拡大を求めたことはファナック同様の好業績でキャッシュリッチなROE上昇期待の大きな銘柄が動意付くきっかけになるものと思われます。今後、マーケットが同様な視点での銘柄発掘を継続すれば再度、アクティブマネージャーが優位になる局面を迎えると考えています。暫くはNTレシオ低下に順応したいと思います。

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