株式会社メドレックス(4586 Mothers)
マイクロニードル事業のインパクト

2018/05/18

フォローアップレポート
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯

ニッチな市場で独自の技術
メドレックス社は、既存の経口薬・注射薬の有効成分を経皮吸収型製剤として開発し、製薬会社へ導出(ライセンス供与)、マイルストーン収入や上市後のロイヤリティ収入等を獲得するビジネスモデルの会社である。
通常の新薬創薬ビジネスと比較して、既存の薬剤の有効成分をベースにしているため成功確率は高く、ニッチな分野であるため競合も限定され、しかも独自のILTS®技術等で差別化されている。

「貼るワクチン」=マイクロニードルの工場建設へ
2018年4月10日、メドレックス社は、15年前から研究開発を手掛けてきたマイクロニードル技術(=「貼るワクチン」)の実用化に向けて、工場建設計画と新株予約権の第三者割当発行を発表した。ワクチン事業は、大量かつ安定供給が求められる性質があるが、メガファーマ自身は医療機器開発への関心は低く、傘下でワクチン開発は行っても、マイクロニードルを自社で開発製造する可能性は低い。メドレックスは、内外の複数社に自社のマイクロニードル技術を提示し、協業・提携を模索していたところ、海外大手ワクチンメーカーから、メドレックスの技術への強い関心が示されている模様で、具体的なデバイス量産計画を示し協業の検討を前進させるため、工場建設とそれを資金的に裏付ける増資の計画発表に踏み切るに至った。

再増資の懸念は当面高くない
工場建設という、従来のビジネスモデルから一歩進んでリスクをとることに株式市場はネガティブに反応した。しかし、マイクロニードル事業の収支計算を試みると、事業利益の赤字幅は最大5千万円強で、2025-6年頃までには投資回収可能ではないかと思われる。旺盛な開発意欲を反映して、高水準の研究開発費用の継続を見込んでも、2019年にオキシコドン・テープ剤の導出一時金が実現された場合には、上場以来初の営業利益黒字化と、その後の黒字軌道定着が想定される。再増資の懸念も当面は高くないと考えられる。今回の決断を、将来の事業規模が、従来のビジネスモデルとは異なるステージに飛躍できる機会と捉えたい。

 

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