今週の注目レポート (5月20日)

2022/05/23

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●マツダ(7261)【 2+→2+】
「収益体質改善が着実に進む、23/3期は厳しい事業環境下で2桁営業増益を計画」
TIWでは投資評価は[2+」を維持する。理由は、22/3期決算が生産制約に伴い出荷台数が前期並みにとどまり、原材料高騰が大きな減益影響となる中でも大幅営業増益となったこと、23/3期は更なるコスト増を想定し、成長投資に関連する固定費増を見込んでも2桁営業増益を計画し増配を見込んだこと、などがポジティブに評価できる。更には、これまで取り組んできた収益体質改善効果(販売・ブランド力向上、損益分岐点台数低下等)が厳しい事業環境下での堅調な業績展開に確り表れているにも関わらず株価指標面に割安感が強い(実績PBR0.52倍等)ことによる。
予想ROE:5.9% PBR:0.5倍、来期予想PER:6.3倍、来期予想EPS成長率:33%
株価(5/20終値):1,111円 Fモデルによる理論株価:2,328円(5月17日by高田悟)

●JCU(4975)【 2+→2+】
「23/3期の経常・純利益減益予想は為替要因であり心配は不要」
22/3期(4-3月)は売上高242億円(前期比14.5%増)、営業利益89億円(同32.2%増)、経常利益92億円(同33.4%増)、純利益63億円(同35.3%増)と増収増益で着地した。増収増益要因は、薬品事業が好調であったためである(前期比売上高19.8%増、セグメント利益28.4%増)。主力の電子部品分野向け薬品事業は半導体需要が旺盛で高利益率の半導体パッケージ基板向けが好調であった。更に新規のライン獲得により薬品需要が増加した。23/3期は増収だが経常利益以下が減益予想だが、減益となるのは「為替」の影響であり、為替の影響を除けば実質増益となる(22/3期の増益は為替の影響が大きかった)。よって、心配する必要はない。
予想ROE:17.7% PBR:2.9倍、来期予想PER:14.2倍、来期予想EPS成長率:8%
株価(5/20終値):3,755円 Fモデルによる理論株価:3,739円(5月17日by山方秀之)

●ミネベアミツミ(6479)【 2+→2+】
「複数の収益ドライバーが貢献する好循環が見えてきた」
22/3期売上、営業利益は2月修正計画を達成した。原材料高や半導体不足など悪影響の中、ボールベアリングの外販が堅調に伸びた他、光デバイスやアナログ半導体の拡販が進んだことで製品ミックスも良化し、収益性を高めた。営業利益は計画に対し、電子機器で若干下回る一方、ミツミ事業が大きく上振れた他、ユーシン事業も4Q(1-3月)に想定以上の黒字に転換しており、収益改善の進展を示した。今23/3期業績について会社側は、前期比7%増収、営業利益は11%増の1,020億円と初の1,000億円超えを見込む。
予想ROE:13.9% PBR:1.9倍、来期予想PER:11.2倍、来期予想EPS成長率:16%
株価(5/20終値):2,386円 Fモデルによる理論株価:2,748円(5月19日by服部隆生)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

このページのトップへ