今週の注目レポート (6月18日)

2021/06/21

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●プロトコーポレーション(4298)【 1→1】
「22/3期は生活関連情報子会社譲渡影響が生じるが連続で営業段階増益を計画」
21/3期決算は前半、物品販売中心にコロナ影響を強く受けたことや一部子会社で前期の特需の反動があったことなどから売上高は横這いに留まった。ただし、広告関連及び情報・サービスの堅調推移にタイヤ販売好調が相俟って3Qが前年同期比28.8%営業増益、4Qが同27.5%営業増益と連続で2桁増益となり通期で確り増益を確保したことが評価できる。22/3期は生活関連情報子会社譲渡により約2億円の減益影響を見込むが、それでもコロナ禍でDX化を推進した中古車、新車、整備の各領域でのサービスプラットフォームの堅調を想定し5期連続で営業増益を計画したことがポジティブ。
予想ROE:15.0% PBR:1.4倍、来期予想PER:10.3倍、来期予想EPS成長率:-14%
株価(6/18終値):1,238円 Fモデルによる理論株価:2,209円(6月17日by高田悟)

●クレスコ(4674)【 2+→2+】
「DX推進の機運は大きく受注は増加傾向、22/3期は2桁営業増益を計画」
21/3期は前期比0.9%増収、同2.0%営業減益となった。コロナ禍で営業活動や開発業務において、対面による営業活動の制限、既存プロジェクト及び新規プロジェクトの中止・中断・受注単価の引き下げ要請などが1Q中心に発生したことから売上高は前期並みに留まった。営業利益はテレワーク体制への移行期における一時的な待機要員の発生や生産性の低下などにより1Q中心に人件費が増加した影響が残り微減益となった。ただし、後半は売上げが順調に回復し、コロナ禍が新常態となる中で生産性も向上し、不採算プロジェクトの極小化が図れたことなどから3Qに営業段階で増益に転じ、4Qの営業利益率は10.3%となり後半回復が鮮明になった。純利益は投資有価証券売却益による特別利益の増加等から増益となり7期連続で最高益を確保した。
予想ROE:14.4% PBR:2.1倍、来期予想PER:12.5倍、来期予想EPS成長率:9%
株価(6/18終値):1,771円 Fモデルによる理論株価:2,519円(6月17日by高田悟)

●イチネンホールディングス(9619)【 1→1】
「21/3期は18期連続の営業増益、ハードルは高まるがTIWは今期も増益確保を予想」
21/3期は採算の高いケミカル事業とパーキング事業でコロナ影響を強く受けたが他でカバーし営業過去最高益を更新する評価できる決算となった。22/3期は自動車リース関連で前期好調の反動を見込むことや機械工具販売での費用先行などから同社は減益を計画。しかし、TIWでは営業過去最高益更新の余地があるとみること、22/3期に続き23/3期以降も堅調な業績展開を見込むことなどに加えて、TIW予想ROE11.44%に対し実績PBRは1倍割れに留まるなどROEとPBRの相関関係等から株価指標面にも割安感が強いため目標株価は1,830円とし投資評価は「1」を維持。
予想ROE:11.4% PBR:0.8倍、来期予想PER:6.0倍、来期予想EPS成長率:6%
株価(6/18終値):1,225円 Fモデルによる理論株価:2,021円(6月17日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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