今週の注目レポート (5月14日)

2021/05/17

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●豊田通商(8015)【 2+→2+】
「22/3期は自動車生産、販売関連回復により純利益は過去最高益を予想」
21/3期決算ではコロナ禍の厳しい事業環境下で前期並みの純利益を確保したこと、3Q累計(4-12月)決算公表時点で上方修正した計画を更に上回って着地したこと、注力するアフリカ本部で自動車販売以外堅調や新規連結効果等により増益を確保したことなどがポジティブ。また、22/3期同社計画では再生可能エネルギーを中心にネクストモビリティやアフリカなどの成長・重点分野で成長への費用先行を見込みつつも、増益と純利益で過去最高益確保を予想し、増配を見込んだことが評価できる。
予想ROE:9.0% PBR:1.2倍、来期予想PER:10.5倍、来期予想EPS成長率:9%
株価(5/14終値):4,900円 Fモデルによる理論株価:5,577円(5月10日by高田悟)

●トヨタ自動車(7203)【 2+→2+】
「22/3期は原材料高騰影響を主に販売台数回復で吸収し2桁営業増益を計画」
21/3期決算では、(1)21/3期はコロナ禍の厳しい事業環境下で1桁営業減益に留め、純利益では2桁の増益を確保したこと、(2)半導体不足の影響が懸念されたが上手く乗り切り4Q単独では主要地域での販売回復により3Qに続き大幅営業増益を確保したこと、(3)原材料市況や半導体不足の影響が懸念される中で22/3期は2桁営業増益を同社が計画したこと、などが評価できる。また、株式分割実施を表明したことはポジティブ。TIWでは原材料市況上昇影響をかなりの規模で織り込んだ22/3期の同社計画の達成の確度は高いとみること、こうした中、22/3期TIW予想PER12.1倍など株価指標面にも特段割高感がないことから堅調な株価にはなお上昇余地があるとみる。投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:9.2% PBR:1.2倍、来期予想PER:11.4倍、来期予想EPS成長率:6%
株価(5/14終値):8,478円 Fモデルによる理論株価:9,039円(5月13日by高田悟)

●メック(4971)【 2+→2+】
「好条件が重なり出来すぎた決算」
1Q(1-3月)は大幅増収増益で着地。通期の業績予想も上方修正されるなど出来すぎた決算であった。背景は2点あり、主力のCZ含む薬品全てが増収となった一方、販売管理費は微増、で収まったからである。為替も売上高(8千万円)、営業利益(4千万円超)へプラスに働いた。TIWの見解は2Q以降も好調継続である。だが1Qのように全ての薬品が好調となるとはみておらず、データセンターや5G基地局向けのCZが業績を引っ張るとTIWはみている。
予想ROE:12.3% PBR:2.9倍、来期予想PER:22.7倍、来期予想EPS成長率:2%
株価(5/14終値):2,710円 Fモデルによる理論株価:2,113円(5月14日by山方秀之)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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