来週の金融市場見通し(2024年7月8日~2024年7月12日)
■来週の見通し
6 月 27 日に開かれたバイデン大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会では、トランプ氏優勢と
の見方が多く、トランプ氏が大統領に返り咲いた場合、減税や財政拡大による米経済の拡大が見込まれるとの期待がくすぶります。バイデン氏が選挙戦を撤退するとの観測も浮上しています。他方、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、今後の経済指標を慎重に見極める考えが示されました。来週は、米雇用統計を受けた米国市場の動向に加え、米消費者物価指数(CPI)なども確認したいところです。
◆株価 :米政治動向に警戒は必要も、上昇継続か
来週の株価は、良好な需給や円安が支えとなり、上昇が継続することが期待されます。先週の東証プライム市場において、海外投資家が6週間ぶりに買い越しに転じました。ドルベースの日本株は米国株と比べて上昇幅が限定的となっていることから、今後海外投資家は相対的に割安な日本株への買いを強めることが期待されます。ただ、米大統領選でバイデン氏の撤退観測が高まるなど、不透明感が高まっている米政治動向には警戒が必要です。
◆長期金利 :米インフレ指標にらみ
トランプ氏が再び大統領になれば財政が悪化するとともに、関税引上げや移民対策などはインフレ圧力を高めるとの見方から、米金利が上昇したことを受け、国内の長期金利も上昇する動きになりました。来週は、日銀の国債買入れ減額に関する意見を聞く債券市場参加者会合が開かれますが、市場への影響は限定的とみられます。米雇用統計や米CPIで米利下げ観測が強まると、国内金利の上昇が一服することも想定されます。
◆為替:堅調地合い継続
ドル円は、堅調な地合いが続きそうです。米インフレ圧力は緩やかながら低下しているとみられるものの、トランプ前大統領が秋の大統領選において優勢との見方が強まる中、米長期金利がやや上昇しています。日米の実質金利差は依然強いドル買い要因となっており、来週もドル円は堅調な地合いが続きそうです。とはいえ、本日発表の 6 月の米雇用統計や来週のCPIの結果次第では、変動性が高まり、上下どちらにも大きく振れる可能性があります。
◆Jリート :軟調地合い継続か
来週のJリート市場は、不動産市場の環境に大きな変化は見られないものの、国内長期金利の上昇が継続していることに加え、足元で株式市場が騰勢を強める中、Jリート市場から株式市場への資金シフトが強まる可能性も考えられます。とはいえ、割安感が強まっていることから安値を拾う一定の買いも見込まれるため、引き続き金利上昇による下押し圧力と、割安感や分配金利回りに着目した買いが交錯する展開が続きそうです。
■来週の注目点
毎月勤労統計(5 月、速報値) 7 月 8 日(月) 8 時 30 分発表
4 月の毎月勤労統計調査では、実質賃金が-1.2%と25 ヵ月連続のマイナスとなりましたが、マイナス幅は縮小傾向にあります。33 年ぶりの高い伸びとなった春闘で妥結された賃上げ率が一部の企業で適用されたことにより、一般労働者の所定内給与の上昇幅は拡大しました。
春闘の賃上げ率は夏場にかけて適用が広がるため、5月も一般労働者を中心に賃金の伸びが高まることが期待されます。もっとも、5 月の消費者物価は伸びを拡大しているため、実質賃金はマイナス圏での推移が続きそうです。
米消費者物価指数(6 月) 7 月 11 日(木) 21 時 30 分発表
5 月の米消費者物価指数(CPI)は総合で前年比3.3%の上昇となり、また、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは同 3.4%の上昇となりました。両指数とも前月より伸びが鈍化するとともに市場予想を下回りました。
米連邦準備理事会(FRB)による利上げなどを受け、米インフレは緩やかながら低下傾向にあるとみられます。ただ、やや陰りが見えてきたとはいえ、基本的には堅調な米労働市場などを背景に、今後のインフレ低下も緩慢なものとなりそうです。6 月は総合で前年比 3.1%程度、コアは同 3.4%程度の伸びを想定しています。
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