日経平均39,000円に到達し、4万円も射程圏に推移中…週明けどこまで上昇する?~2024年2月22日版~

2024/02/22

 

とうとう日経平均株価が終値ベースで39,000円に到達しました。先週同じく終値ベースで38,000円に到達してすぐの高値更新です。

これまで場中の年初来高値更新は何度もありつつも、同日の終値ベースで節目となる水準を超えてくることはなかなかありませんでした。

まだわずかではありますが、日経平均株価が39,000円を超えたことで、今度は「4万円」も射程圏に入り、さらなる上昇を期待する雰囲気になってきたかもしれません。

ただし、冷静にみると直近で最も大きかった上昇は2/13に付けた2.89%で、年初来高値を更新した2/22の上昇率は2.19%にとどまっています。

これを考慮すると、この日経平均株価の39,000円到達は、ここから大相場がくる入口なのか、それともここで再び失速してしまうかの分岐点という見方もできるかもしれません。

はたして、ここから日経平均株価を中心とした日本株は高値圏を維持しながら、再上昇するのでしょうか。それとも、ここで失速し横ばいに推移するのでしょうか。

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/2/7~2024/2/21の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

今週は営業日が少ないので、あくまでも参考データにはなりますが、これらの指数をふまえると今週の株式市場は、先週と違って日経平均株価と株式市場全体が、”あまり連動していない週”でした。

言い換えると「日経平均株価では現状のトレンドを掴むのが難しい週」だったと言えるでしょう。なぜなら、日経平均株価が横ばい状態の裏側で、日本株市場全体は次の展開に向け動いていたからです。

もちろん、日経平均株価が横ばいに推移しているのは感覚的には「調整局面」などと判断することもかのうでしょう。ただし、それは確度が高いものではなく、あくまでも「おそらくそうだろう」という感覚だったのではないでしょうか。

一方、株トレンド指数を見ると先週末の段階では引き続き小さな上昇傾向が続くかの分岐点でしたが、週明け2/19の状況を見て、そのまま上昇傾向が続くと読み取れました。

また、日経平均株価は横ばい状態ではあったものの、株トレンド指数を見ると空売り指数が最も目立っている状態が2/20、2/21と続いていたので、ここから再上昇があることが読み取れます。

このように一時の日経平均株価が上昇一辺倒の難易度の低い状態ではなく、日経平均株価は横ばいであるが、株式市場全体はやや複雑な動きをしていました。

だから、損益には大きな影響はないかもしれませんが、株トレンド指数を基準に相場分析する私たちと、日経平均株価だけを基準に分析する人では差異が生じたでしょう。

それらをふまえて詳細を見ると、週初め2/19の日経平均株価は、先週末2/16からほぼ横ばいに推移しました。また、2/20、2/21と3日連続で横ばいに推移しました。

そのようなこともあり、これだけを見ても、日本株の状況を掴むのは難しかったと考えられます。あるのは、明確な分析結果ではなく「感覚による調整局面」や「上昇への期待」のような抽象的なものだったと考えられます。

それに対して、株トレンド指数を見ると、小さな上昇傾向の分岐点となる2/19は、先週末2/16の空売り指数50を維持し、次の展開が上昇になる期待を高めました。

そして、2/20は天井指数の水準は半分以下に下がったもの突発的な上昇を起こしやすい状態である「空売り指数>天井指数」の状態になりました。

さらに、2/21は「空売り指数>天井指数」の状態が続いたうえ、押し目買い指数も、なかなか達することのない「5」まで上昇しました。

すでに2/22の株式市場を終えた段階で執筆していますので、後出しジャンケンのように見えるかもしれませんが、この3日間は2/22も小さな上昇傾向が続くことを示していました。

ただし、ここからが難しいところです。まだ2/22のデータが更新されていないので週明けにならないと分かりませんが、2/22の株トレンド指数がどのような状態であったかで、次の展開の予測がおおよそ見えてきます。

現時点では、まだ明確に判断はできないのですが、もし2/22の株トレンド指数が直近の中では比較的大きく上昇することがなければ、週明けに突発的な上昇が起きる可能性が高いでしょう。

また、もし緩やかな上昇や、多少下落したあとに再び上昇する可能性が高い場合は、再び「押し目買い指数」が5以上など、通常よりは高い水準になるでしょう。

日経平均株価の上昇率で判断する限り可能性は低いですが、反対に2/22の株トレンド指数が上昇を示すようであれば、突発的な上昇がここで終わり、再び小さな上昇傾向を保ちながら高値圏を推移していくことが予測されます。

このように、先週末も分岐点になり今週初めのデータを見ないと判断が難しい状況でしたが、今週も来週初めのデータを見ないと、更に上昇があるのか判断ができない状況です。

しかも、日経平均株価で考えると、2000年以降の24年分のデータ分析をする限り、すでに2024年の年末に予測される平均的な水準の目前まできています。

しかしながら、株トレンド指数を見る限り、決して上値が重たい状態ではないので、近々平均的な水準を超えるかもしれません。

このような水準にくると「上がりすぎ」「過熱感がある」という声もあるかもしれませんが、日経平均株価を直接売買している人はいないので、そういった基準は考えないほうが良いでしょう。

あくまでも、上記のような株トレンド指数などで日本株市場全体の動きを考えながら、次の展開を予測すると良いでしょう。

では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、より現状を詳しく見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、2/22に39,000円に到達しているので多少状況が変わるかもしれませんが、1月から2月上旬の水準よりは一段上の水準に到達しつつあると考えられるでしょう。

ただし、ここで注意があります。それは日経平均株価を「円単位」で見ていることです。上記はグラフ化が目的なので、上昇率ではなく「円単位」で見ています。

しかし実際の上昇幅は円単位ではなく「率」で見たほうが良いので、円単位で把握するのはそろそろ錯覚を起こしやすいタイミングに来ています。

日経平均株価が1万円台の1%、2万円台の1%、3万円台の1%、4万円目前の1%と、同じ1%でも円単位で見た水準が上がるほど、同じ1%でも円の幅が大きくなります。

例えば、2/22の日経平均株価の上昇率は2.19%でしたが円単位で見ると「+836円」でした。このように水準が上がるほど、同じ割合でも円単位で上昇しやすくなります。

よって、現時点の日経平均株価を厳しめに見ると、円単位では1月から2月上旬の水準よりは一段上の水準に到達したように見えますが、実際はそれほどの上昇ではない可能性があります。

そのような背景がありますので、日経平均株価の推移は錯覚を起こさないように厳しめに見ていきましょう。

株トレンド指数を基準に見ると、今週の株式市場は、日経平均株価が横ばいで推移していた通り、それほど大きな上昇の動きが発生していないことが分かります。

ただし、空売り指数の水準が直近の中ではとても大きく、「50」付近を2日間維持しつつ、その後も空売り指数が目立つので、次の展開に向け準備をしているようにも見えます。

もちろん、ダマシである可能性もありますが、株トレンド指数を見る限り、ここから上昇する場合は日経平均株価は一気に4万円を超えるような上昇になるかもしれません。

もしくは、以前から警戒しているアベノミクス相場初期のような断続的な上昇が続き、結果的に「掴みどころのない上昇が続く相場」になる可能性があります。

またはここから再び横ばいに推移する可能性もありますが、それはやはり2/22の株トレンド指数のデータを見てからでないと判断できないでしょう。

このように、日経平均株価は節目となる39,000円に終値ベースで到達しましたが、まだ株式市場全体に「上昇トレンド」が発生しているわけではありません。

あくまでも引き続き小さな上昇傾向を維持しながら、再上昇のタイミングをうかがっているように見受けられます。

そういった意味では、上昇一辺倒ではないので、仮に週明け上昇しても大相場にならない限り、短期売買では利益を狙いにくい相場になるかもしれません。

補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:小さな買い → 前週よりは買いが増加
  • 個人投資家:わずかに買い → 小さな買いに増加
  • 日本の機関投資家:売り → 大きな売りに変化

全体としては、「やや売りが大きい」の状態だと読み取れます。タイムラグのあるデータなので、このデータが今週に当てはまるわけではありませんが、これを見る限り、株式市場の需給バランスは均衡に近い状態であると考えられます。

この点をふまえると、日経平均株価は節目の39,000円に円単位では到達したものの、厳しめに「割合」で見た通り、まだ本格的な上昇はしていないと考えられます。

よって、ここから本格的な上昇に入るには、日本の機関投資家のポジションがどう変化するかがカギになってくるかもしれません。

引き続き 「投資主体別売買動向」で株式市場全体の需給バランスを把握しつつ、日経平均株価の円単位で錯覚を起こさないように、株トレンド指数を基準に動向を見ていくと良いでしょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/2/21(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ2/22時点のデータを含みます)。予めご了承くださいませ。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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