日経平均勢いを保ったまま高値更新を目前に推移中…週明け上昇の可能性は?~2023年11月17日版~
日経平均株価が11/15に33,000円を突破し、11/17には33,585円まで上昇し、6月につけた年初来高値更新が目前まできました。
先週までは、ほぼ横ばい状態だったものの、今週に入り小幅上昇を重ね、年末に向け良い流れが出てきているようにも見受けられます。
しかし、その一方で、これまでも高値更新を目前に失速していることもあり、再びボックス圏の上値付近で跳ね返される可能性もあります。
いよいよ、このような水準まで到達した日本株ですが、ここからボックス圏を上抜けするのでしょうか。それとも再び跳ね返されて下落してしまうのでしょうか。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/11/2~2023/11/16の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違って、日経平均株価と株式市場全体が、”やや連動している週”でした。
ただし、先週に続き株トレンド指数の中でも「空売り指数」を中心に株式市場が動いていますので、珍しい状況は続いています。
今、株式市場を牽引している空売り指数は、直近2週間の中でも、最も高い水準に到達しています。
その水準は11/15に「54」、11/16「39」と高い水準を維持しています。しかし、ここで判断を難しくするのが、この高い水準を維持していることです。
通常、空売り指数は、上昇にブレーキを掛ける役割として、50前後で上向きの方向感が止まる傾向があります。
もしくは、この50前後の水準が続くと、次の上昇は「大相場」を迎える確率が高い傾向があります。
一方で、ここまで空売り指数が目立つ展開は例外的な動きですので、傾向とは違った動きをする可能性もあります。具体的にはダマシになことです。
このような状態ですので、週明け早々の空売り指数が、どれくらいの水準に到達するかで、次の上昇が大相場になるか、それとも上昇せずダマシかについて判断することができるでしょう。
また、その動きにより、上昇する可能性が高まれば日経平均株価の年初来高値更新があり、反対にダマシであればボックス圏の上値で再び跳ね返されるでしょう。
ちなみに、あくまでも今年の中での話ではありますが、6月の年初来高値から再度高値更新を狙う動きがあったときは、ここまで空売り指数が上昇しませんでした。しかし、今回は空売り指数の水準が高い状態を維持しています。
空売り指数は相場にブレーキを掛ける一方で、その水準に比例して、上昇傾向を示す天井指数も上昇する傾向にあります。
その点をふまえると、ダマシの可能性は外せないものの、ここから上昇を控えている可能性が高いとも読み取れるでしょう。
なお、上記までの内容は、日経平均株価だけの動きだけでは捉えることが難しいと考えられます。
私たちのように株トレンド指数を基準に相場分析する人にとっては、この空売り指数を使うことで、次の展開の予測をある程度つけることができます。
しかし、日経平均株価だけを基準に相場分析する人は、空売り指数のような基準がありませんので「おそらく、日経平均株価がこのまま上昇するだろう」「もしかするとまた調整が入るかもしれない」という予測にとどまる考えられます。
ちなみに、株トレンド指数を見る限りでは、今週が調整局面とは判断することができません。
なぜなら各指数が横並びになったり、上昇した天井指数が一時的に収れんするなどの動きはなく、先週から上昇の勢いを蓄積している状態だからです。
この点を考慮すれば、調整ではなく「上昇に向けた準備」をしている可能性が高いと、株トレンド指数からは読み取れます。
このように、今週の株式市場は、次の展開を読む部分も含め、日経平均株価だけで相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数を基準に相場分析する人で差異があると考えられます。
特に、先週から続く「上昇に向けた準備」の部分は、日経平均株価の動きだけは読み取ることができません。
そのようなこともありますので、もしこれから傾向通りに本格的な上昇や大相場になることがあると、後ほど悔しい思いをするかもしれません。
しかしながら、今は下落リスクがあるような状態ではありませんので、あくまでも精神的な意味でのマイナスで、実際の収益にはそれほど影響はないと考えられます。
今週の状況をまとめると、日経平均株価がやや上昇していますが、まだ上昇のパワーを蓄積している段階なので、週明けの展開も期待できると考えられるでしょう。
では、より現状を詳しく見ることを目的に直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、ボックス圏の上値付近まで上昇していることが分かります。ここからもボックス圏を上抜けするか跳ね返されるかの分岐点にいることがわかります。
次に、株トレンド指数を見ると、先週同様空売り指数が目立ってはいるものの天井指数が維持され上昇の勢いを保っていることが分かります。
また先週同様、天井指数よりも空売り指数のほうが高い水準にいることも、ほぼ維持しています。
これらを考慮すると、今週の株式市場はまだ本格的な上昇に入っていないことが分かります。
日経平均株価も33,000円を回復し、そのまま年初来高値更新を目前とした水準まで届いていますが、上昇トレンドの動きではありません。
現状はあくまでもボックス圏内の動きであり、まだ上抜けするような上昇が発生していないでしょう。
ですが、週明けの動向次第で、ここから本格的な上昇が発生し、日経平均株価が一気に年初来高値を更新する可能性も十分に考えられます。
空売り指数が高水準を保っていることからも、一気にボックス圏を上抜けし、年初来高値を狙う上昇へのパワーを蓄積しているようにも見受けられます。
このように、日経平均株価は一時期の一段下の水準のボックス圏を脱し、今度は高値更新を目指す水準まできています。
また、日経平均株価だけでは読み取れない裏側では、高値更新を目指すような動きも見られています。
もちろん、まだボックス圏を上抜けしていないので、これがダマシとなりボックス圏の上値付近で跳ね返される可能性もあります。
ただし、これまでの上抜けを狙うときの内容と現状は違っていることが株トレンド指数からわかります。
そのような状況にありますので、ここから次の展開は週明けの空売り指数の動向を見ながら、どうなるか見ていくのが良いでしょう。
もし、空売り指数が水準を維持し、天井指数が上がってくるようなことがあれば、大相場になる可能性が高まります。
反対に、水準を維持することなく下がることがあれば、再びボックス圏の上値付近で跳ね返され、失速すると考えられます。
このように週明けの状況次第で、分岐点のように方向性がわかれますので、引き続き日経平均株価だけでなく、株トレンド指数も一緒に見ていくのが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/11/16(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ11/17のデータが含まれています)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
auカブコム証券の「副助言者」として、銘柄選定や売買タイミングのノウハウを提供するなど、アナリストの情報源として活躍中
トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
auカブコム証券の副助言者としては、同社が提供するロボットアドバイザーサービス「信用ロボアド」に対して、利益を狙えるタイミングで、銘柄選定と売買のタイミングを見極める戦略(ロジック)を開発し、投資助言情報を提供している。
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