日経平均3日続落で33,000円割れ軟調に推移中…日本株上昇はここで終わり?~2023年7月7日版~

2023/07/07

 

日経平均株価が続落するのを見て「日本株は、もう天井なのでは?」と心配な人はいますか?

日経平均株価は3日続落し、再び33,000円を割り込みました。これで、直近11日間のうち8日が下落し、その中には4日続落や3日続落などもあり一時期の勢いがなくなってきています。

日経平均株価を基準に見ると、日本株は依然として高値圏を推移しています。しかし、5月から順調に上昇してきた勢いがなくなり「失速」という言葉がよぎるような動きが見えてきています。

先週の時点では、調整局面なので、下落の可能性もありつつも、再上昇の可能性があると判断できました。

それが、ここに来て7/7時点で日経平均株価が4日続落し、少々風向きが変わってきたようにも見受けられます。

そのようなこともあり、ここから日本株がどのように推移するのが心配な個人投資家の方も多いかもしれません。

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2023/6/23~2023/7/6の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動していない”でした。

週初めの7/3以外は、ほとんど連動していなかったので、日経平均株価だけを基準に相場分析している投資家にとっては、株価が反対方向に動いたり、値動きが掴みにくい週だったかもしれません。

具体的に見ると、上記の通り7/3は日経平均株価も株トレンド指数も上昇傾向を見せましたが、それ以降が連動性な推移しました。

7/4、7/5の日経平均株価は小幅下落するも、株トレンド指数を見ると、上昇傾向を示す天井指数が最も上昇し、日本株市場全体はやや上昇傾向にありました。

そして、もっとも掴みにくかったのが7/6でしょう。日経平均株価は1.7%の下落と、直近の中では比較的大きく下落しました。

それに対し、株トレンド指数を見ると、全体的にトレンドらしいトレンドが発生していないことが分かります。どの指数も低水準なので、無風状態に近いイメージと読み取れるでしょう。

しかし、ここで注意点があります。この7/6は、株トレンド指数の中で最も目立って発生しているのが押し目買い指数です。

押し目買い指数は、年間を通じて「10以上」になることは、それほど多くありません。よくメディアなどで「押し目の機会」などの言葉を目にしますが、データ分析上は、それほど機会がないのが、この押し目です。

そういった視点でみると、6月下旬の水準までは発生していないものの、7/6時点で「11」まで、押し目指数が上昇しています。

これを考慮すると、同日の日経平均株価の下落は、上昇過程の一時的な下落である可能性が比較的高いと読み取れます。

ただし、「比較的高い」だけであり、6月下旬のような「次は上昇する可能性が高いです」と表現できるような状態ではありません。

あくまでも、無風状態に見えますが、よく分析すると株式市場全体が押し目買いの動きをしている可能性が高いと考えられます。

これらを考慮すると、ここで日本株の上昇が終わり、天井に来たのではないかと思ってしまうところもありますが、週明けにならないと、まだ予測が難しいと考えられます。

メディアで先日の下落を「◯◯ショック」と表現しているものもありました。しかし、それは日経平均株価を「円単位」で見た場合の話であり、「割合(%)」で見ると、それほど下落していないことが分かります。

よって、まだ天井をつけたわけではなく、週明けの状況を見ないと、ここから上昇するか、下落するか分からない調整局面が続いていると考えられるでしょう。

では、直近2ヶ月間の状況を見て、より状況を詳しくみてみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、上昇が一服し先週から調整局面に入っていると読み取れます。また、先週から今週にかけ下落する日が多く見られましたが、まだ高値圏を推移していることが分かります。

また、株トレンド指数を見ると、今週発生した上昇傾向は小さな水準にとどまり、ここからも調整局面の動きをしていることが分かります。

このように今週や先週など局部的に見ると下落が強いように見えますが、日経平均株価を見ても、株トレンド指数を見ても横ばいに推移するような状況が続いています。

そして、この直近2ヶ月の天井指数を見ても、アベノミクス初期のように、結果的には上昇しているものの、断続的な上昇が続いていることが分かります。

なお、そのアベノミクス初期の上昇は約2ヶ月間で終焉しました。もしアベノミクス初期のようになると、今発生している上昇トレンドはそろそろ終わるようにも感じるかもしれません。

しかし、上昇トレンドの期間には傾向があるわけではないので、この期間は気にする必要はないでしょう。

また、今週の推移を見ても、まだ調整局面が続き、下落方向に株式市場が動き出している様子は見られません。

1週間単位で見たときと同様に、ここからも引き続き調整局面が続き、週明けの状況を見ないと、ここから上下のどちらに動くか分からないでしょう。

なお、補足情報として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見る限り、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:やや買いに転換
  • 個人投資家:やや売り買いに転換
  • 日本の機関投資家:ほぼ中立に転換

前回は、外国人投資家が積極的に「売り」でしたが、それが「買い」に変化し、個人投資家が「積極的な買い」から「売り」に変化しています。

そして、日本の機関投資家が、ようやく「売り」から、少しずつ「買い」に変化してきました。

このデータは一週遅れたものなので、タイムラグはありますが、株式市場の需給バランスが前回に続き交錯しいていることからも、調整局面が続いていることが分かります。

また、前回よりも需給バランスに強弱がなく、三大投資家全員が中立に近いポジションに変化してきました。

これもふまえると、いま発生している調整局面は、引き続き上下のどちらに動くか分からないものであることが分かります。

そういった意味では、日経平均株価だけを見ると、どうしても「円単位」で見てしまい、その変化に右往左往してしまいがちですが、変化を「割合(%)」で見て行くのが良いでしょう。

また、それに加えて株トレンド指数の発生状況を見て、上昇と下落のどちらへの指数が強いか、もしくは同水準であれば、まだ調整局面が続くなど、ある程度の予測ができるようにしておくと良いでしょう。

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2023/7/6(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ7/7時点が含まれます)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) 高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック

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