再び日経平均3,3000円回復するも勢いなく停滞中…週明けどうなる?~2023年6月30日版~
「日本株の勢いが落ちてきている…」と、今週の株式市場を見て、そう感じている人はいますか?
日経平均株価が再び33,000円を回復するも、一時の勢いが落ち着き、引き続き停滞が続いています。
しかし、依然として日経平均株価を基準に見ても日本株は高値圏を推移していることもあり再上昇も期待できる水準を維持しています。
ただし、ここまで上昇してくると、やはり考えていまうのが「天井はいつか?」もしくは「上昇するなら、いつ再上昇するのか?」など、それらのタイミングでしょう。
これまでと違って、なかなかスッキリとした展開にならない日本株ですが、ここからどのような展開が予測されるのでしょうか。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/6/16~2023/6/29の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、年間でもとても珍しい状況の中で、日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動している週”でした。
大まかに言うと、全体的に「押し目買い」戦略に該当するような動きをしました。これまで何度も解説をしてきましたが、こういった状況は初めてとも言えるケースでした。
ただし、これは株トレンド指数を基準に見ると”明確”に読み取ることができましたが、日経平均株価などを基準に分析しても、読み取ることが難しいものでした。
なぜなら、株トレンド指数には「押し目買い指数」があり、その指数の動きで状況を数値で明確に読み取れますが、日経平均株価などでは、単なる数字の上下でしか捉えることができないからです。
詳細に見ると、押し目買い指数は先週後半から目立つ水準まで発生してきました。それが6/23~6/27にかけて、他の指数よりも明確に目立つ水準を推移しました。
この状況は年間でも珍しいことです。過去に数回ありましたが、そのときは日本株市場がボックス圏を推移していたときのことでした。
そのようなこともあり、単に珍しい状況であることや、ボックス圏なので方向感を失っている現れという程度のものでした。
しかし、今回は状況が明らかに違います。断続的ではあるものの、日本株市場全体が上昇トレンドに入る中で、押し目買い指数が、このような水準を維持しました。
「上昇過程の一時的な下落」を意味する押し目買い戦略の通り、6/23~6/27の期間は次の上昇に向けた一時的な調整局面だったことが読み取れます。
もし、日々の株トレンド指数をご覧いただいているあなたであれば、この数日間は「高い確率で次の上昇がある」と読み取ることができたでしょう。
言い換えると、先週の停滞は下落方向へ動く可能性のあった調整局面ではなく「これから押し目買いの動きをする前の上昇を控えた調整局面」と読み取ることができたのではないでしょうか。
その後は、この読み取りの通り約2%ではありますが、日経平均株価が上昇するような動きを見せました。
そこから6/29は、その勢いがなくなったように見えますが、上昇傾向を示す天井指数が発生していることを考慮すると、まだ上昇の勢いが途切れていないことが分かります。
よって、今週だけの動きを見る限り、日本株市場は天井に到達したとは考えにくいでしょう。ただし、これまで順調に上昇してきたような勢いは、今のところ薄れつつあります。
では、直近2ヶ月間の状況を見て、より状況を詳しくみてみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、4月下旬からの上昇が一服し、先週よりは下落していることが分かります。ただし、その中で押し目買いの動きがあったことも見受けられます。
また、株トレンド指数を見ると、押し目買い指数が目立つのは、この2ヶ月間の中でも直近以外では見られないことが分かります。
加えて、これまで順調に上昇してきましたが、天井指数の発生に勢いがなくなり、4月中旬頃の水準まで弱まっていることが分かります。
ただし、依然として調整局面が続いていることが分かります。5月下旬の調整局面でも、天井指数が同水準付近まで下がっていました。
上昇時には、ある程度空売り指数が発生することが伴いますが、その発生が直近は小さくなっていることは、やや気がかりです。
先週の段階では上昇に向けた調整局面と判断することができましたが、今週は上の解説でも両面があるように、やや判断が難しいでしょう。
しかしながら、これで上昇の可能性が低いというわけではないので、上下のどちらに動くか分からない調整局面に入っているとも考えられます。
なお、補足情報として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見る限り、受給バランスは、以下の通りでした。
- 外国人投資家:売りに転換
- 個人投資家:積極的に買いに転換
- 日本の機関投資家:売りに転換
前回は、外国人投資家が積極的に「買い」でしたが、それが「売り」に変化し、個人投資家が積極的に「買い」になっています。
このデータは一週遅れたものなので、タイムラグはありますが、株式市場の需給バランスが交錯しいていることからも、調整局面にきていることが分かります。
そして、今回の調整局面は、今後の上昇の可能性が高いものではなく、上下のどちらに動くか分からないものでることが分かります。
なお、押し目買い指数の上昇を考慮すると、その意味の通り「上昇過程の中の一時的な下落」ですので、再上昇のシナリオも想定されます。
ただし、需給バランスも考慮すると、これまで状況が違うので、楽観的に見ることなく、悲観もしくは中間で展開を見守るのが良いでしょう。
やはり、今回の上昇トレンドは、アベノミクス初期のように断続的な上昇が起きやすいのが特長です。そうなると、こういった場面ほど、次の展開が読みにくくなります。
もちろん、今後の再上昇に期待したいところですが、これまでと状況が違うので、あくまでも「中立」の視点でいるのが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/6/29(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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