最近の指標から見る中国経済(2015年7月)~追加テコ入れ策で着実な景気回復へ~

2015/07/16

最近の指標から見る中国経済(2015年7月)~追加テコ入れ策で着実な景気回復へ~

【ポイント1】 成長率は7%を維持

不動産開発投資の鈍化は継続
■4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.0%と前四半期と同じ成長率でした。6月の小売売上高、固定資産投資(除く農村部)の鈍化は止まり、生産は若干ですが加速しました。今年の成長目標である+7%成長を維持し、景気の鈍化は止まりつつあるようです。

■一方、不動産開発投資の鈍化は6月も続きました。景気には産業毎にバラつきが見られます。

20150716cn1

【ポイント2】 マネーの鈍化に転機の兆し

物価は低位安定
■6月の消費者物価指数は前年同月比+1.4%と、低位で落ち着いています。エネルギーや食品価格などの安定からインフレ期待は抑制されています。

■マネーサプライ(M2)の前年比伸び率は低下が止まりつつあります。金融緩和などの効果が出始めたと見られます。しかし、金融機関の新規貸出などの伸びに大きな加速が見られず、依然として金融機関が貸出に慎重な姿勢であることが影響しているようです。

20150716cn2

【今後の展開】 追加金融緩和などの政策により、年後半の回復を確実に

■構造改革と安定成長が両立する「新常態」を目指し、「中国製造2025」や「自由貿易試験区」拡大などの成長戦略に政府は力を入れています。しかし、成果の確認には時間が必要で、足元では不安定な株式市場の景気への悪影響も懸念されます。即効性のある追加金融緩和や財政などの景気テコ入れ策により、年後半の景気回復を確実にすることが期待されます。

 

(2015年7月16日) 

印刷用PDFはこちら→

http://www.smam-jp.com/market/report/marketreport/__icsFiles/afieldfile/2015/07/16/news150716cn.pdf 

関連マーケットレポート

 2015年07月08日 中国株下げ止まらず、日経平均は2万円割れ)

 2015年07月01日 投信版「直通列車」が出発(中国)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ