2020年のアジア株式市場の振り返りと見通し 新型コロナの影響により回復力に格差が生じたアジア株式市場

2020/12/29

2020年のアジア株式市場の振り返りと見通し

【ポイント1】アジア株は新型コロナで急落後、上昇基調に

新型コロナの影響により回復力に差

■2020年のアジア株式市場は、新型コロナの感染拡大に伴う経済活動停止により3月にかけて急落しました。しかし、各国・地域の積極的な金融・財政政策や、経済活動再開の動きを背景に、アジア株式市場は反発し、4月以降は上昇基調に転じました。11月にはコロナワクチンの早期実用化観測が高まり、年末にかけて一段高となりました。

■ただ、年初来騰落率をみると、新型コロナの影響度合いにより、各国・地域の市場で株価の回復力に格差が生じました。

【ポイント2】中国、韓国、インドなど堅調

ASEAN4は相対的に出遅れ

■新型コロナ感染の封じ込めにいち早く成功した中国や台湾は、7月には感染拡大前の昨年末水準を回復し、その後も上昇しました。また、新型コロナに対応した生活様式の変化のなかで、業績が堅調な「情報技術セクター」を多く抱える台湾や韓国、インドは過去最高値を更新しました。

■一方、新型コロナによる景気減速の影響を大きく受けたASEAN4(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン)の株価の戻りは相対的に出遅れました。足元でマレーシアを除き、昨年末水準に届いていません。

【今後の展開】アジア株式市場は業績相場への移行を期待

■2021年の世界経済は、新型コロナワクチンが普及していくことに伴い、回復することが見込まれます。ただし、需給ギャップが残るためインフレ圧力は高まらず、各国・地域の中央銀行は、大規模な金融緩和を継続するとみられます。低金利環境の長期化と金余りで投資家のリスク選好姿勢が継続するなか、景気回復とそれに伴う企業業績の改善から、アジア株式市場は本格的な業績相場へ移行することが期待されます。

(2020年12月29日)

印刷用PDFはこちら↓

2020年のアジア株式市場の振り返りと見通し 新型コロナの影響により回復力に格差が生じたアジア株式市場

関連マーケットレポート

2020年12月21日 2020年の米国株式市場の振り返りと見通し

2020年12月11日 2020年のインド株式市場の振り返り

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ