『ドットチャート』は当面の政策金利据え置きを示唆

2019/04/11

 

『ドットチャート』は当面の政策金利据え置きを示唆

米連邦準備制度理事会(FRB)は、年に8回開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)のうち3、6、9、12月に開く会合で、FOMCメンバーによる米国経済と政策金利の見通しを公表しています。米国の政策金利はフェデラルファンド(FF)レートですが、FOMCメンバーが予想するFFレートの水準を “点(ドット)”の分布で表現したグラフは『ドットチャート』と呼ばれ、将来の政策金利の動きを予測するうえでの判断材料とされます。

【ポイント1】2019年3月開催のFOMCで金利を据え置き

バランスシート縮小も発表

■FRBは4月10日、3月19日、20日に開催されたFOMCの議事要旨を公表しました。この会合では、市場の予想通りFFレートの誘導目標レンジを2.25%~2.50%で据え置くことが決定されています。

■また、バランスシート(FRBが保有する資産)の縮小ペースを徐々に緩めていき、9月末で終了する方針が示されました。

【ポイント2】『ドットチャート』の中央値が低下

19年の利上げは見送られる見通し190412MK

■FOMC参加者によるFFレート予測値の分布を示す『ドットチャート』は、18年12月時点に比べ、予想の中央値(数値を小さい順に並べた時、中央に位置する値)が引き下げられました。

■19年末は2.88%から2.38%となり、19年の据え置きを予想したメンバーは前回の2名から11名に増加しました。昨年12月時点で2回想定されていた19年の利上げは、見送られる見通しです。また、20年末および21年末は3.13%から2.63%に引き下げられました。20年は1回の引き上げ想定が維持され、利上げはそこで打ち止めとなる見込みです。

【今後の展開】インフレが抑制される中、FRBは当面金利を据え置き

■議事録によると、3月のFOMCでは主にインフレ圧力が低下していることを踏まえて、年内の金利据え置きが適切であると議論されており、FOMCの結果を裏付ける内容となりました。

■足もとの金融市場は昨年後半から年末にかけての急落から落ち着きを取り戻しており、米国経済も2019年後半から2020年にかけて持ち直しが期待されます。一方、FRBは物価が上がらなければ利上げをする必要がないという方針にシフトしており、政策金利は当面据え置かれると見られます。

(2019年4月12日)

印刷用PDFはこちら↓

『ドットチャート』は当面の政策金利据え置きを示唆

関連マーケットレポート

2019年04月10日 IMFの世界経済見通しは3回連続で下方修正

2019年04月08日 市場予想を上回った米雇用統計(2019年3月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ