ECB理事会について~最近の経済情勢への見解と今後のユーロ相場
2018/04/27
<投資信託>
- 政策金利、資産購入プログラムなど、一連の金融政策手段は据え置かれました。
- ECBは足元の経済指標の弱さは一時的としており、中期的な物価目標達成へ自信を深めています。
- 夏場には金融政策正常化の道筋も見えてくると見込まれ、ユーロは底堅く推移すると予想されます。
景気好調の見方変えず
ECB(欧州中央銀行)は26日、定例理事会を開きました。レポ金利などの政策金利、資産購入プログラム(APP)など、一連の金融政策手段は据え置かれました。
声明文では、インフレ目標(+2%弱)が中期的に達成されることに自信を深めている旨の記述が見られました。ECBは、米国の通商政策に見られる保護主義的な流れに対して警戒しつつも、ユーロ圏は、雇用環境の改善と企業投資の回復を背景に、潜在的な成長力を上回る経済成長を維持するとの見通しを変えていません。PMI(購買担当者景気指数)や鉱工業生産など、経済指標が年初から軟調に推移していることについては、それ以前の景気が想定以上に強かったことの反動もあり、一時的なものと捉えています。
米欧金利差拡大の影響は夏場まで
ECBは、APP(資産購入プログラム)の9月期限を控え、次回(6月14日)もしくは次々回(7月26日)の理事会で、その後の方針を明らかにすると見込まれます。APPは減額されて年内は続けられる公算が大きく、利上げは早くても19年後半と予想しています。
ユーロ相場は、米欧金利差の拡大が足かせとなり、対ドルで頭の重い展開となっています。しかし、夏場には金融政策正常化の道筋が見え、好調な景気を背景に、長短金利上昇の流れが徐々に強まってくると予想されます。ユーロは現状水準でのもみ合いが続くものの、大幅下落のリスクは小さく、夏場以降は底堅い展開になると見込まれます。
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