足元の株価下落は「終わりの始まり」か?
今週の株式市場ですが、日経平均の動きを見ると、週初の18日(月)は、前営業日比で336円高となり、先週からの買いの勢いが継続する格好で史上最高値を更新する動きとなりましたが、その後は売りに押される展開となり、20日(水)の取引終了時点では43,000円台を下回るところまで、株価水準を切り下げています。
これまで、割高感が意識されながらも急ピッチで上昇してきただけに、利益確定売りに押されてもおかしくはなく、現時点で相場が天井をつけ、下落トレンド入りを想定するのは時期尚早なのかもしれません。
ただ、それでも気になる兆候がいくつか現れています。
そのひとつが、JPX(日本証券取引所)が公表している信用取引残高の状況です。直近2週間の信用売り残高が1兆円を超えてきています。信用売り残が増加するということは、「まもなく株価の調整もしくは下落基調が強まりそう」と見込む投資家が増えていることを意味しています。
しかし、直近で信用売り残が1兆円を超えた場面を振り返ると、2024年の2月から3月の時期と、2023年の6月あたりの時期が該当するのですが、当時の株価は一時的に伸び悩んだり、売りに押されたりしながらも、その後の株価は「もうひと伸び」して高値を更新しています。
このように、過去のパターンからすると、足元の株価下落や信用売り残の増加は「強気の中の弱気」ということになり、買い向かうのが吉になります。
とりわけ、足元の相場で特に強く売られているのが、半導体やテック株などのAIを主軸としたグロース株ですが、週末22日(金)のジャクソンホール会議(米カンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム)でのパウエルFRB議長の講演や、来週に予定されている米エヌビディア決算などの内容次第では相場が再び息を吹き返し、株価指数が上値をトライする可能性も十分に残されています。
もっとも、これらのイベントに対して、相場が好感しない状況となった場合には、もう一段階の株価調整を意識する必要が出てきますし、先ほどの信用売り残が増加した際についても、過去の事例ではいずれも株価がもうひと伸びした際につけた高値が天井となり、数カ月間にわたって株価が軟調に推移する展開になっています。
いずれにしても、4月上旬の底打ちから始まった、現在の上昇トレンドは終盤戦に入っており、このまま調整入りするのか、それとも、もう一花咲かせてから調整入りするのかの違いは、「どのような天井パターンを形成するのか?」の違いだけです。
もっとも、中長期的には、まだ下落トレンドに転じるサインは出ていないため、株価が調整したところを拾っていく投資戦略がしばらく有効になりそうです。

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