トルコ中銀、市場金利高め誘導続く

2017/03/17 <>
  1. 政策金利はレポ金利、上下限金利すべてを据え置きましたが、市場金利の高め誘導が続いています。
  2. 欧州の景気回復が下支えとなる一方、通貨リラの下落によるインフレ圧力から内需が弱めです。
  3. 政治的不安定さからリラは当面神経質な動きですが、割安感も強く、戻り余地も大きいと思われます。

本格的な利上げによらないインフレ抑制に苦心

トルコ中央銀行(以下、中銀)は16日の金融政策委員会で、政策金利であるレポ金利、上限金利の限界貸出金利、下限金利の準備預金金利いずれも据え置きました。

一方、市場金利である翌日物金利を大幅に高め誘導しており、現在、11%前後で推移しています。トルコの政策金利には、上記の金利の他に、締め後の緊急的貸出に適用する金利(”Late Liquidity Window Interest Rate〔以下、LLW金利〕”)があり、今回の委員会で11%から11.75%へ引き上げられました。現在の市場金利の水準は、限界貸出金利(現在9.25%)とLLW金利との間に誘導されている形です。この目的は、通貨防衛を通じたインフレ抑制ですが、表立った利上げに否定的なエルドアン大統領への配慮もうかがえます。

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最悪期を脱しつつある?

リラ相場は、政治面の不安感を背景に年初から大きく売り込まれましたが、前回の金融政策委員会(1月24日)で、市場金利の高め誘導が鮮明になって以降、小康状態となっています。

中銀の声明文では内需の弱さが指摘されていたものの、景気は減速一辺倒ではありません。企業の景況感は下げ止まってきており、一時、前年比で40%近く減少していた外国人観光客も現在では10%減少程度に戻してきています。したがって、政治的不安を要因にして売り込まれてきたリラは、割安感が強まっていると思われます。たとえ強権であっても、政治が安定し、社会的混乱が収束すれば、市場金利の高さなど、改めてリラの投資妙味が見直される局面も考えられます。当面は、神経質な動きを余儀なくされる場面もあるものの、戻り余地もその分大きくなってきていると思われます。

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