ベステラ<1433> 今後増加する需要への対応と新事業の 3D 計測事業の立ち上がりに注目

2017/05/12

プラント解体のエンジニアリング・マネジメントに特化した建設会社
今後増加する需要への対応と新事業の 3D 計測事業の立ち上がりに注目

業種:建設業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・ベステラ(以下、同社)は、プラント解体専業だが、解体の施工能力を持 たず、エンジニアリング・マネジメント業務に特化する「持たざる経営」を実 現し、数々の特許工法を確立して成長してきた。解体の工程の「視える 化」のために開始した 3D 計測事業が第二の成長軸となる局面にある。

2.財務面の分析
・10/4 期~16/1 期の売上高は年平均 28.3%のペースで拡大した(14/1 期 から 1 月決算に変更)が、収益計上の期ずれ案件の発生等で、減収及 び赤字転落となる局面もあった。17/1 期は、期ずれ案件の発生等で、前 期比減益となった。
・プラント工事や建設コンサルティングを事業とする上場企業と比べて、同 社は収益性や成長性で上回る。また、「持たざる経営」のため、規模は小 さいながら、安全性指標の固定長期適合率での優位性が目立つ。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、組織資本に属する、独自に編み出したプラ ント解体に関する数々の技術にあると考える。これらの技術は実際の業 務に使えるレベルにまで実用化され、技術を求めて関係資本の顧客が やってくるという構図が出来上がっている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、工事監督を中心とした増員、人材サービスの事 業確立、3D 計測事業の深掘りの 3 点が挙げられる。
・同社は、「プラント解体リーダーとなる」という目標に向けた成長戦略とし て、工法の充実、事業領域 3 本柱の確立、3D 計測事業の深掘りを掲げ ている。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、「技術で顧客をつくる」ことでユニークなポジ ションを構築してきた点を評価している。また、今後の 3D 計測事業の立 ち上がりに期待する一方で、成長のボトルネックとなりうる工事監督の増 員ペースを注視していきたい。また、売上高の拡大局面でもあるため、営 業キャッシュ・フローの動向にも注意を払いたい。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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