プレミアアンチエイジング<4934> クレンジング市場でトップシェアのファブレスメーカー

2020/11/04

Duoブランドのクレンジングバームを中心に化粧品を企画・販売
クレンジング市場でトップシェアのファブレスメーカー

業種: 化学
アナリスト: 阪東 広太郎

◆ アンチエイジング化粧品の企画・販売を展開
プレミアアンチエイジング(以下、同社)は、アンチエイジング注1効果を発揮する化粧品の企画・販売を行っている。同社の事業セグメントは、化粧品の企画・販売事業の単一セグメントである。

同社では、主に「DUO(デュオ)」と「CANADEL(カナデル)」の2つのブランドを取り扱っている。20/7期において、「DUO」が売上の9割以上を占めている。

「DUO」シリーズでは、スキンケア、メイク、メイクケアに関する製品を取り扱っている(図表1)。スキンケア区分のメイク落としである「ザ クレンジングバーム」シリーズは20年4月時点でシリーズ累計販売個数1,500万個を超えており、20/7期における売上構成比は約84%を占めている。

同社は、10年2月に、バーム型のクレンジングの先駆けとして、「ザ クレンジングバーム」を発売した。従来のクレンジングの主流であったオイルタイプ、クリームタイプ、ローションタイプの良さを併せ持つ事などが評価され、順調に売上を伸ばしている。

従来のオイルタイプは、洗浄力は高いものの、洗いあがりの肌にツッパリ感が残る、クリームタイプは使用後に肌に潤いが残るものの、肌の汚れが落ちているという感覚が薄い、ローションタイプは汚れが落ちる感覚はあるものの、手に取る際にこぼれる点が気になるという傾向がある。「ザ クレンジングバーム」は、容器の中では固形であり、取り出す際にこぼれることがなく、手に取ると体温でクリーム状になる。クリームには美容成分と洗浄成分の入った微粒子カプセルが含まれており、洗浄力がありつつも、洗いあがりの肌にツッパリ感が少ないという特徴がある。「ザ クレンジングバーム」シリーズの多くの製品の定価は、90g(約1 カ月分)で3,600 円であり、通信販売の定期販 売では2 割引の2,880 円となっている。

同社によると、「ザ クレンジングバーム」の利用者は、30 代および40 代の女性が大半を占めており、中でも働く女性が多いようである。肌の変化を感じた際や、従来型のクレンジングの使用感への不満などから、クレンジングを見直す際に、同社製品が選ばれているようである。50 代以上の女性の使用が少ないのは、インターネット通販の利用が少ないこと、20 代の女性が少ないのは、アンチエイジングの意識が高くないことと同社製品の価格帯が高いことが影響しているようである。

同社は「CANADEL」シリーズのブランドを、19 年4 月に立ち上げた。「CANADEL」では、オールインワンスキンケア製品を取り扱っている。ブランド立ち上げ時に「プレミアムホワイト オールインワン」及び「プレミアリフト オールインワン」の2 製品を発売し、現在「CANADEL」ブランドの主力製品となっている。「CANADEL」の20 年4 月単月の売上高は132 百万円となっている。

同社は、オールインワンスキンケア製品の利用者が増えているが、ユーザーの多くがシニア層であり、30 代から40 代の女性の利用が少ない点に着目した。化粧品業界では、30 代から40代女性において、スキンケアの時間短縮 ニーズは低く、化粧水や美容液、クリームをそれぞれ個別にこだわって使う と考えられていたが、同社は30 代から40 代の女性にも時間短縮ニーズが あることを見出した。特に、「妥協や手抜きの罪悪感なく、肌悩みをケアする ためにあえて使いたいオールインワンが求められている」という点に着目し、 製品を開発した。

「CANADEL」の「プレミアムホワイト オールインワン」および「プレミアムリフト オールインワン」の価格は、内容量58g(約1 カ月分)で3,800 円となっており、通信販売の定期購買では2 割引の3,040 円となっている。

◆ 通信販売が主力の販売チャネル
同社は、同社製品を、(1)通信販売、(2)卸売販売、及び(3)その他の3 つのチャネルで販売している。20/7 期第3 四半期累計期間におけるチャネル別の販売高構成は、通信販売77.0%、卸売販売21.2%、その他1.3%である(図表2)。

◆ 通信販売
通信販売は、同社が創業から取り組んでいる主力の販売形態である。同社は、自社EC サイトにおいて、自社製品の販売を行っている。

販売手法は、1 回の注文ごとに販売する「都度販売」に加えて、一定の間隔で同様の製品を継続的に顧客に届ける「定期販売」の2 種類がある。19/7 期の通信販売売上高に占める定期販売の割合は約90%である。

主な新規顧客の獲得手法は、アフィリエイト広告を中心としたインターネット広告である。インターネット広告に加え、雑誌や、テレビCM など、各種メディアをミックスし、顧客獲得効率を高めている。

同社の通信販売において、過去、一度でも都度購入または定期購入実績のある顧客の総アカウント数は、1,829,575 件(20 年4 月末時点)である。

◆ 卸売販売
同社は、11年10月から、化粧品卸売業者と代理店契約を締結し、バラエティショップを始めとした小売店への販売を開始した。18年10月には、卸売販売専用の部署を新設したことに加え、「DUO」のテレビCMを受けて、配荷先が大手ドラッグストアや大手総合スーパーにも拡大した。配荷先店舗数が増加したことで、卸売販売の売上高は、18/7期の419百万円から19/7期には1,939百万円へと約4倍に拡大した。製品を配荷している小売店の数は、20年7月末時点で13,435店である。

同社の卸売販売では、特定顧客に売上が集中しており、特に井田両国堂(東京都千代田区)は20/7期第3四半期累計期間において、卸売販売の売上の86.9%占めている。

◆ その他
同社は、Amazonに出品することで小売りとしての販売も行っている。その他、海外展開についても取り組んでいる。海外展開については、販売代理店を経由して、中国、台湾、香港への販売を行っている。

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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