日経平均27,000円までようやく回復…週明けどうなる?~2022年10月7日版~
今週は、日経平均株価が776円上昇するなど、先週と全く違った動きをしたこともあり、ここから日本株は上昇していくと思っている人はいますか?
先週は日経平均株価が25,000円に突入し、このまま下落方向に動くかと思われましたが、週明け早々26,000円台に回復し、そこから776円の上昇などがあり、27,000円台までようやく回復しました。
そのようなこともあり、先週が底値で、ここから日本株が上昇すると期待している人も多いかもしれません。
ただし、8月には日経平均株価が29,000円に到達したものの、そこからは安定せず、右往左往する状況が続いています。そして、なかなか方向感がつかみにくい状況が続いています。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは9/22~10/6の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、先週と違って日経平均株価と株式市場全体が”比較的連動”している週でした。
しかし、連動していると言っても、とても小さなトレンドの中での連動ですので、とても捉え方が難しい週だったと考えられるでしょう。
詳細を見ると、今週は、先週までの状況が一変しました。先週の株式市場は、株トレンド指数を見ても、底値指数が優位な状態が続き、全体的に下落方向への勢いが増していました。
しかし、今週はその状況が一変し、10/3を除いては、天井指数が優勢になり、株式市場全体が比較的上昇方向へ動き始めました。
ただし、ここで注意しなければならないのは、小さなトレンドの中で、上昇方向に動いているということでしょう。
株トレンド指数の発生状況を見ても分かる通り、全体的には、無風状態に近いのが現状です。その中で、比較的天井指数が優位というだけで、株式市場を牽引するようなトレンドには至っていません。
むしろ、先週から続く底値指数の発生が完全消滅することなく、わずかな発生が続いています。
これらを考慮すると、やや上昇が優勢になってきたものの、まだ株式市場全体は、上昇方向に動こうとしているのか、下落方向に動こうとしているのかが、全く分からない状況だと読み取れます。
両方に牽引するパワーが発生した状態なので、綱引きをしているようなもので、まだ均衡が崩れていないと考えると良いでしょう。
なお、今週の株式市場でも、やはり注意したいのは、株式市場の動きを株トレンド指数のようなもので捉えたり、「%」で捉えたりするか、それとも「日経平均株価の変動幅を円」で捉えるかで、相場分析に差異が生まれたでしょう。
日経平均株価と株式市場全体は、比較的連動はしていたものの、動きを「円」で捉えていた投資家にとっては、実態と違う分析をしてしまった可能性が高いでしょう。
具体的に言うと、日経平均株価が776円上昇した10/4の動きです。こちらは%で見ると、2.96%と3%に届かない上昇でした。
しかし、先週に日経平均株価が25,000円台に突入するなど、そういった動きを円で体感してしまうと、この10/4の上昇は、とても大きな上昇に感じたでしょう。
しかし、実態は3%に届かない上昇なうえ、株トレンド指数で見ても、それほど大きな上昇ではありません。
小さなところかもしれませんが、こういった捉え方の差異が、株式市場への向き合い方に変化を生み、ムダな損失を生むことにつがりかねません。
このように、今週の株式市場は、円単位で見ると、日経平均株価が大きく上昇した週にも見えますが、実態は違い、それほど大きく変動していなかったのが今週の特長でしょう。
あくまでも9月下旬の下落の反発の範囲にとどまっていると考えるのが妥当でしょう。
では、現状を詳しく理解するために、直近2ヶ月の状況を見ると、今週の株式市場は、日経平均株価を基準に見ると、やはり9月下旬からの下落からの反発と読み取ることができます。
また、その反発は円単位で見ると大きく見えますが、株トレンド指数の発生状況を見ても、小さな反発にとどまっていることが分かります。
それをふまえると、先週の段階では、下落方向にいく可能性と、反発する可能性の両方がありましたが、反発の結果になったと考えられます。
他にも暴落の可能性もありましたが、今週の動きを見る限り、段階的に底値指数が上昇していないこともあり、その可能性も低くなってきたでしょう。
なお、もう少し期間を広げて見ると、日経平均株価の動きは、先週の時点で、ボックス圏の下値に到達したと考えられます。
つまり、依然として長期のボックス圏が続き、再び下値から反発し、ボックス圏内を上昇してきています。
それを考慮すると、直近の日経平均株価が急落に見えた場面も、今週の上昇も、まだボックス圏を方向感なく推移していると考えられます。
またトレンドがはっきりしていない状況が続いていますので、売買のタイミングは慎重に見極めたほうが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2022/10/6(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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