ここからは業績相場へ移行
西日本を中心とした豪雨による大災害の後の記録的な猛暑。そして、今、これまでにないコースで近づきつつある台風12号。日本だけではなく、世界的な気象異変には驚かされる。人間は自然の猛威の前には無力であるが、備えるべきところだけはしっかりと備えれば少なくとも自分の命は守れるはずである。さて、遅くなったが6月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。
6月のマーケットは米国市場の下落に対して日本市場は上昇する展開となった。
米国市場は反落。5月の雇用統計は+22.3万人と予想の+19万人を上回り失業率も3.8%と18年ぶりの低水準に。イタリアの政局の落ち着きで初旬は買い戻し優勢。FRBは利上げを決定し政策金利は0.25%上昇の1.75%~2.00%となり利上げペースが速まる公算に。中国への追加関税実施の可能性が高まり警戒感。長期金利は2.82%まで低下。6月のNYダウは24271ドルと前月より144ドル下落し月間騰落率は-0.6%。ナスダックは7510となり67ポイント上昇の+0.9%となった。
東京市場は小反発。5月の好調な雇用統計や欧米株上昇、米朝首脳会談の実現で地政学リスクが後退したため円安が進み買い優勢。その後は米中貿易摩擦が世界経済に与える影響への懸念から幅広い銘柄に売り。原油先物が73ドル台まで上昇し企業業績圧迫への懸念も広がる。売買代金は2.4兆円程度で推移。為替は先月末の108.70円から今月末は110.70円へ。6月の日経平均は22304円で取引を終え、5月末の22201円から102円上昇し月間騰落率は+0.5%、Topixは-0.9%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が-2.0%、マザーズ指数は-4.0%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における6月のパフォーマンスは-0.6%となり、年初来-0.3%、累計では+166.7%(5月末+168.4%)とやや後退。6月末時点のポートフォリオの株式比率は83%で27銘柄を保有(5月末は82%で27銘柄を保有)。株式部分の含み益は+29.6%(5月末は+32.0%)。83%のうち現物株のウェートは38%、日経レバレッジETFの保有比率30%の実質ロング比率は60%でロングは合計98%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは73%のロングポジションである。5月末の72%から若干上昇。
5月の中旬から日本市場はトランプ大統領による極端な保護貿易政策や、イタリア・スペインでの政局の混乱といった外部要因により値を崩す展開となっていたが、6月も引き続き似たような展開となった。そうした中で前向きに捉えることのできるのが円安の進展である。これまでは世界のマーケットでリスク回避の動きがあれば、一方通行的に円が買われていたが、そういう状況がやや是正されている。
トランプ政権による極端な保護貿易政策がもたらす各国との貿易摩擦への懸念、ひいては世界経済減速への懸念が意識されているものの、中国側の報復措置がややトーンダウンしつつあることやEUとの協議が緩和の方向で合意されたことで、今後は徐々に融和的方向に向かうことが期待される。
今年も早くも半分が終了した。7月下旬より1Q決算発表がスタートするため、現在の閉塞感漂うマーケットからの脱却を期待したい。弊社としては外部環境に過度に悲観せず、個別銘柄のパフォーマンスを積み上げる形で運用資産の増加をもたらす投資戦略を実行していく。
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