マーケットは年初来高値更新を試す局面に

2015/11/27

冬シーズンが本格的に到来した。札幌市では11月としては62年ぶりとなる大雪が降り、日本全国でも山間部を中心にあちこちで雪の便りを聞くようになった。毎日暖かくして過ごしていただきたい。さて、遅くなったが10月のモデルポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

10月のマーケットは日米市場とも戻りを試す展開となった。

米国市場は3ヶ月ぶりに大幅反発し、NYダウは7/22以来約3ヶ月ぶりの高値を回復。9月の雇用統計が+14.2万人と予想の+20万人を大きく下回ったことに加え、7月8月の数値も下方修正。9月の小売売上高、消費者物価指数、フィラデルフィア連銀の景気指数などがいずれも低調となったことで低金利政策長期化への思惑から買い優勢。加えて、欧州中央銀行による追加的金融緩和の示唆や中国の利下げも買いに拍車。10月のNYダウは17663ドルと前月より1378ドル上昇し月間騰落率は+8.5%。ナスダックは5053となり443ポイント上昇の+9.4%となった。

東京市場も急反発し、日経平均は9/29の直近安値16930円から大きく切り返し2ヶ月ぶりの19000円台を回復。米国の利上げ後退観測、欧米株や上海株の堅調な動きで買い優勢。TPP交渉が大筋で合意したことも好感。決算発表は安川電機や日本電産の好決算で景気敏感株への買戻しが加速。加えて、ECBによる金融緩和策への期待感や中国の利下げでリスクオンの展開に。売買代金は2.5兆円前後の低水準。為替は118円~121円の動き。10月の日経平均は19083円で取引を終え、9月末の17388円から1694円上昇し月間騰落率は+9.7%、Topixは+10.4%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+4.5%、マザーズ指数は+5.4%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における10月のパフォーマンスは+7.5%となり、年初来+4.0%、累計では+158.3%(9月末+140.2%)と大きく挽回した。保有株式のウェートは9月末の74%から78%へ上昇。ヘッジ戦略を実施していないためネットロング比率は78%。ポートフォリオの新高値銘柄は1となり先月の0銘柄からは増加。

8月、9月はギリシャ問題や中国の景気減速懸念から相場は急落したが、10月はようやく落ち着きを取り戻す展開となった。世界のマーケットを揺さぶった中国株市場が平静さを取り戻したことに加え、FRBによる低金利政策長期化、ECBによる追加的金融緩和の期待が高まっており、リスクオンの様相に転換した。

2012年秋にスタートした日本の株式市場の上昇が続くためには、日経平均が2007年2月の高値18300円を維持できるかどうかが重要なポイントになることは何度も指摘してきた。この水準を今年の2月に超えたことで長期的下落トレンドから脱却して真の上昇局面入りが確認されたが、10月にこの水準を再び奪回してきたことで上昇相場へ舵を切る可能性が高まった。

11月に入り、世界的に株式市場は落ち着きを取り戻して上昇基調にある。米国の12月の利上げがますます確実な情勢となっていることで米景気拡大が好感される一方、ヨーロッパはECBのドラギ総裁が追加的金融緩和を実施する意向を示していたところにテロによるフランス経済刺激策が必要となってきていることから、ますます金融緩和への期待が高まっている。一方、日本市場は8/20以来3ヶ月ぶりの高値を回復し、日経平均は2万円台の回復にあと一歩と迫った。7-9月のGDP速報値が予想よりもマイナス幅が大きかった点はマイナス材料と受け取られず、財政出動への期待が高まっている。

年末から年明けにかけて、日本株市場は引き続き上昇局面が続くことが予想される。来年の3月末までに8/10に付けた直近高値20808円を再び試す可能性が十分に出てきており、運用資産の積み上げに邁進してきたい。

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