FM 今月のポイント(2016 年10 月)

2016/10/03

*日銀の新たな施策が発表されて10 年債利回りは低下に転じています(9月30 日は-0.085%)。日銀の新機軸では10 年債利回りを0%に固定することがポイントになっていますが、マーケットは中央銀行が長期金利をコントロールすることは難しいと考えているようです。そうは言っても日銀の呪縛にあった債券マーケットにおいては長期金利の急激な低下を望むことは期待薄と考えます(7月8日に記録した-0.3%を下回る可能性は低い)。逆に0%を超えて上昇することも難しく、-0.1%から0%の膠着状況に陥る可能性が高まってきました。長期金利の一段の上昇でバリューシフトの第二段が始まることを、また、長期金利が低下すればグロースの巻き戻しが始まることを、それぞれの立場(ポジション)で期待していた投資家はますます動けなくなりました。長期金利の膠着が続いた場合、上半期以上に国内株式市場への参加者は減少するものと思われます(売買代金の減少)。国内要因からは基本的に日経平均株価16500 円を挟んだレンジ相場が続くものと思われます。そして大統領選後にドル円相場に方向感が出た場合⇒トランプ大統領誕生で95 円~90 円に切り上がれば15000 円前後まで下落、クリントン大統領で日本の財政拡大が評価され105 円~110 円のレンジに切り下がれば17500 円以上へ上昇する可能性があると思われます。いずれにしても新大統領が決まるまでは日経平均株価ベース(主力株)の膠着感を覚悟する必要がありそうです。

*ドイツ銀行をはじめとして欧州の銀行経営不安がまたぞろ世界のリスクマーケットを動揺させる兆しがあります。一部欧州銀行への懸念は今に始まった事ではなく、今年の2月(チャイナショック)も6月(Brexit ショック)にも取りざたされました。2000 年代初頭からの日本の銀行危機と同様に不良債権処理は短期間では終了せず、今後も、折に触れてリスクオフの引き金を引く要因であり続けると思われますが、長期上昇相場においてはノイズと考えるべきです。リーマンショックの教訓は強烈で、主要銀行(世界経済に大きな影響を与える)を破綻させる選択肢は現状の世界経済体制ではありえません⇒ショックの兆しがあれば4極(日米欧中)が強力して金融緩和を強化し、セーフティネットを一段と厚くする方策をとると思われます。現に、米国内で過去の住宅ローン担保証券の不正販売でドイツ銀行が米司法省に支払う和解金は当初の140 億ドルから54 億ドルに減額の報道がされています。世界の過剰流動性拡大+堅調な米国経済という「株高のフレームワーク」は維持、強化されており、長期上昇相場継続シナリオには変化はありません。ドイツ銀行等の経営不安でプチショックが発生した場合はポジションテイクの好機と考えます。

*主力株の膠着相場時は新興市場を中心とした小型株が活躍する局面です。残念ながら前述の通り、グロースの巻き戻しも不発に終わりそうで、東証マザーズ指数の上昇力もある程度は削がれることが予想されますが、材料株、テーマ株を中心とした循環物色が始まりそうです。

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