今週の注目レポート (12月1日)
【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。
●豊田通商(8015)【 2+→2+】
「自動車販売及び生産関連、アフリカが堅調、通期計画を再度上方修正」
24/3期上期(4-9月)決算では、懸念された金属市況や欧州電力価格下落影響を自動車販売・生産関連及びアフリカの好調でこなし営業段階と最終段階で2桁増益を確保したこと、1Q(4-6月)決算公表時に続き再度通期計画を上方修正し、24/3期は純利益で従来の1桁から2桁増益見通しに転じたこと、年間配当金予想を前回の1株当たり214円→250円に大きく引き上げたことがポジティブである。同社計画では下期も増益基調が続く見通しであるが、TIWではトヨタの高水準の生産が続く中、上方修正後の計画には更に上振れ余地があるとみることに加え、24/3期は純利益過去最高更新が見込めるのにもかかわらず、依然株価指標面(24/3期TIW予想PER9.2倍等)にも割安感があるため投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:14.9% PBR:1.3倍、来期予想PER:9.2倍、来期予想EPS成長率:0%
株価(12/1終値):8,233円 Fモデルによる理論株価:12078円(11月27日by高田悟)
●堀場製作所(6856)【 2→2+】
「来24/12期も増収営業増益を確保できると予想。株価の見方を変更」
23/12期3Q累計は、自動車は排ガスが伸び営業赤字が縮小。環境と医用も営業増益の一方、半導体と科学で営業減益を記録。半導体は3Qの3カ月では前四半期比増収増益で、3四半期ぶり営業利益100億円を超え、底堅さを見せた。会社側は通期業績予想を小幅上方修正した(半導体のみの増額)。半導体は修正後の計画も依然堅めとみる。一方、自動車は排ガス以外の分野が弱含みで推移しており、自動車と科学に未達懸念が残り、TIWでは全体では上方修正するが、両部門は慎重に見た。来24/12期は全体で1桁の増収、営業増益は可能とみる。半導体は引き続き収益減を見込むが、下期には受注・売上も回復が予想され、大きな落込みにはならないだろう。半導体の収益減を自動車など他部門で吸収できると考える。
予想ROE:13.9% PBR:1.5倍、来期予想PER:12.5倍、来期予想EPS成長率:-5%
株価(12/1終値):9,976円 Fモデルによる理論株価:13364円(11月30日by服部隆生)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。