日経平均とうとう31,000円割れで緩やかに下落するも依然として方向感乏しく推移中…週明けどうなる?~2023年10月27日版~

2023/10/27

 

日経平均株価がとうとう31,000円を割りました。10/23には30,999円、10/26には30,601円と、一時的にではありますが、とうとうこの水準まで下落しました。

先月下旬から下落が続き、そこから反発を見せるものの勢いは乏しく、今月中旬に半値戻し程度にとどまり、その後は下落が続いてします。

ただし、まだ31,000円を割った状態が続いてはいないので、10月上旬に割ったときのように再上昇する可能性もあるかもしれません。

いずれにしても、4月から始まった上昇トレンドが終焉して以降、目立った上昇トレンドもなく、長期的に見れば方向感のない軟調な推移が続いています。

そのようなこともあり、ここから日本株が一体どのように推移していくのか、気になる方も多いでしょう。

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2023/10/13~2023/10/26の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週同様、日経平均株価と株式市場全体が、”あまり連動していない週”でした。

ただし、株トレンド指数全体の発生状況は、全体として発生が乏しい状況が続いています。今の状況は日本株市場全体を左右するようなものではなく、あくまでもトレンドが乏しい中で起きていることだと考えるのが良いでしょう。

なお、今週の株式市場で、先週と1つだけ違う部分があります。それは日経平均株価を基準に相場分析する人と、株トレンド指数を基準に相場分析する人では”差異”があったということです。

方向感が乏しい状態を考慮すると、先週までは両者にそれほど違いはありませんでした。しかし、今週に限っては、この両者に差異が生じたと考えられます。

その大きな理由が「底値指数」の存在です。今週は先週と違い底値指数の発生状況が日々変わりました。

上のグラフの通り、10/23の発生が最も大きく、その後は減少し10/26に再び増加しました。また、この10/23は上のグラフの期間内で、最も底値指数の水準が上昇したときでした。

なお、この10/23に付けた底値指数「19」は、8/17に付けた「20」以来の水準です。それまで一時的に15~17の水準に到達することはありましたが、20目前までは上昇していません。

それに対して、日経平均株価は、それほど下落せず1%未満の下落にとどまりました。円ベース見ると、ここで31,000円をわずかに割り込みました。

そのようなこともあり、日経平均株価を基準に相場分析する人にとって、この10/23はそれほど特別な日ではなかったと考えられます。

31,000円を割ったとはいえ、30,999円と大きく割ったわけではないので、それほど印象的な31,000円割れではなかったでしょう。

一方、株トレンド指数を見ると、底値指数がここで8/17に続く水準まで上昇しました。これをふまえると、ここから反発がない限り、下落方向へ動く可能性が高まったと読み取れます。

そして、完全に31,000円を割り込んだ10/26は、株トレンド指数に連動するように、底値指数が目立ちました。

このように、10/23を起点に少々動きが変わってきたのが現状だと、株トレンド指数からは読み取れます。

しかし、日経平均株価だけで状況を見ると、緩やかに下落していることは掴めますが、それ以上のことが掴めません。

実際には、株トレンド指数の通り、株式市場全体が、緩やかよりも強めに下落方向に動いています。

もちろん、引き続き方向感がない状態ではありますが、以前よりは下落リスクが高まっていると考えられます。

このように日経平均株価を基準に相場分析する人と、株トレンド指数を基準に相場分析する人で、全く反対にトレンドを読み取るような差異があるわけではありませんが「下落の強さ」の読み取りに差異が出たでしょう。

もちろん、今すぐにこの読み取りの違いが利益に影響を及ぼすわけではありませんが、「リスク管理」の方法が変わってくるでしょう。

まだ大幅下落や暴落のリスクは小さいもの、以前よりは上昇よりも下落方向に進む可能性が高まっています。

これまでは、まだ心配のない緩やかな下落でしたが、以前よりはリスクの出てきた下落になっていますので、ここから下落方向に方向感が出た場合、そのリスクは一気に高まるでしょう。

そのときに、今の時点からリスク管理の見直しをするか、それともリスクを気にせずいるかで、実際に起きたときの損失の受け方の度合いが変わります。

現時点では、まだ大幅下落や暴落のリスクが確率高くある状態ではありませんが、留意しておく必要があるでしょう。

上記以外の株トレンド指数の指数である「OVER指数」「RISK指数」を見ると、より具体的にわかりますが、今は天井指数が発生していることで、下落せずにいる状態です。

万が一、10/23の天井指数のように発生が小さい状況が続くと、ここからいったんトレンドがリセットされない限り、下落方向に進む可能性が高いでしょう。

とはいえ、今はボックス圏を推移していますので、あくまでもボックス圏の下値付近に向かう下落になるとことを予測されます。

ですが、底値指数と天井指数のバランスや、底値指数の発生状況によっては、ボックス圏の下値付近で反発せず、下抜けする可能性もあります。

このように、上昇よりも下落時に複数のシナリオが出てきてしまうのが現状です。ボックス圏を推移中ですので、ここから一気に下落することは想定しにくいです。

しかしながら、少なくとも「ボックス圏の下値付近まで緩やかに下落」「ボックス圏の下値を緩やかに下落」「ボックス圏の下値を一気に下落(大幅下落・暴落)」のようなシナリオを考えながら、次の戦略や方針を考えておくと良いでしょう。

では、直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、先週までは悲観的な下落ではないと読み取れましたが、今週からは悲観も想定した下落と読み取ったほうが良いかもしれません。

現時点では、まだボックス圏の水準は、10月上旬から変化していないように見受けられます。31,500円付近を中心に前後1,000円程度を上下しています。

しかし、このあと見る株トレンド指数の発生状況を見ると、今はギリギリに保っているだけで、支えになっているものがなくなると、水準が下がると予測されます。

次に、株トレンド指数を基準に見ると、先週は方向感が全く分からない状況でしたが、今週はやや下落方向に動き出していることが分かります。

もちろん悲観的になるような動きではありませんが、ボックス圏の方向感のなさなどを考慮すると、日経平均株価のボックス圏の水準が、少しずつ下に向かっているようにも見えます。

上記でお伝えした通り、あくまでも今はボックス圏の中で起きていることです。しかし、10/4に日経平均株価が31,000円を割ったときとは違って、下落の勢いが出てきています。

そのようなことをふまえると、ここは10/4前後の動きを参考にせず、そのときよりはリスクが高い状態での推移と考えておくと良いでしょう。

あくまでも、何かあったときのことを考えて、厳しめに見た話ではありますが、何かあってからでは遅いので、ボックス圏を下抜けすることも想定しておきましょう。

 

補足として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見る限り、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:大きく買い → 小さく売りに転換
  • 個人投資家:小さく売り → やや買いに転換
  • 日本の機関投資家:小さく買い → 小さく買いを維持

最新週のデータでは、前週のデータから変動がありました。全体としては、買いが大きいように見受けられます。

しかし、全体の需給バランスの幅で見ると、前週よりも最新週のほうが小さくなりました。タイムラグのあるデータですので、そのまま今週の株式市場に反映されるわけではありませんが、ここから株価の変動幅が小さくなる可能性が高いと読み取れます。

また、明確に買い、売りのポジションがなく「小さく」「やや」のポジションが続いていますので、日本株市場全体は、膠着状態に近いとも考えられます。

このような膠着状態に近い状態のうえに、株トレンド指数の発生状況が乗り、その上に日経平均株価が乗っています。

それを考慮すると、引き続き小幅な変動の中、ボックス圏特有の動きをすると予測されるでしょう。

ただし、場合によっては、今少しずつ高まっているリスクがもっと大きくなることもあります。そのような点も考慮しつつ、週明けの株式市場を見ていくのが良いでしょう。

今は、ボックス圏の下値方向に向かいつつ、少しずつリスクが高まり、場合によってはボックス圏を下抜けすることも考えられる状況です。

分岐点というほどの分岐点でもないことから、なかなか読み取ることが難しいですが、引き続き各指標を見ながら、動向を見守りましょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2023/10/26(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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