日経平均4日続伸で32,000円回復し、小幅ながらも上昇を継続中・・・週明けどうなる?~2023年9月1日版~
4日続伸で、日経平均株価がようやく32,000円を回復しました。先週末に2%の下落ではあるものの、円単位では662円下落したことで、31,000円に突入しました。
それまで今週と同じく4日続伸をしていたこともあり、上昇した分だけ下落し、方向感をつかみにくい動きをしていました。
そのような動きがあったものの、今週は早々から展開が変わり、再び4日続伸し今日も前場時点では小幅に上昇し、5日続伸も狙えるような動きをしています。
しかも、32,000円後半まで上昇していますので、ここから再び33,000円を上抜けする動きを期待している人も多いのではないでしょうか。
その一方で、先週と同じように、再び上昇した分だけ下落してしまうのではないかと心配な人もいるかもしれません。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/8/18~2023/8/31の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と同様に、日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動している週”でした。
よって、こちらも同様に日経平均株価だけを基準に相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数を基準に相場分析する人の分析結果の差異は、それほどなかったと考えられます。
ただし、日経平均株価を基準にすると、先週と同じように4日続伸とはいえ、大きくても週初めの約1.7%の上昇にとどまっているので、株式市場全体のトレンドの把握は難しかったでしょう。
それに対して、こちらも先週と同じように、株トレンド指数を基準に相場分析している私たちは、小幅上昇のデータよりも、株式市場全体は上昇傾向にあると把握することができたでしょう。
このように一週間を結果として見ると、いずれの方法を使っても、それほど分析結果に差がないかもしれません。
しかし、実際に毎日変わる株式市場の動きと考えると、日々のトレンドの把握には違いが出たのではないでしょうか。
例えば、日経平均株価を基準に株式市場全体のトレンドを分析しようとしても、小幅上昇を繰り返しているだけだと、毎日「結果的に上昇している」とまでしか分からないでしょう。
反対に株トレンド指数を基準にトレンドを分析している私たちは、日経平均株価の小幅上昇が続いている裏側で、上昇傾向を示す天井指数の水準が上がりつつあることを把握することができます。
つまり、ここからまだ大きな上昇ではないものの、株式市場はボックス圏の中で、上昇しようとしていると読み取れるでしょう。
このように、結果的にしか把握できない日経平均株価を基準にした分析と、この株トレンド指数での分析では、細かな部分で差異が発生していたと考えられます。
より具体的に見ると、今週の株式市場は株トレンド指数の各指数を見てもわかる通り、小さいながらも明確な上昇傾向でした。
それを表すかのように日経平均株価も4日続伸し、32,000円を回復しています。そして、そのままの小さな流れが続き、今日の前場時点では、週明けにも33,000円回復が見込めるところまで来ています。
空売り指数の水準がもう少々上がると、それなりの上昇が期待できますが、現状を見る限り来週も、小さな上昇を保ちながら、日経平均株価33,000円回復に向かって動きそうに見受けられます。
では、直近2ヶ月間の状況を見て、より詳しくみてみましょう。日経平均株価を基準に見ると、今週4日続伸はあったものの、まだ小さな上昇を繰り返していることが分かります。
また、今日の前場時点も含め上昇中ではありますが、依然としてボックス圏を推移していることが分かります。
ただし、今週の上昇によって先週よりも高い水準のボックス圏まできています。ここから一気に、再度34,000円を目指すような上昇は期待できないですが、少しずつボックス圏の上値を抜けようと動いていることも分かります。
また、株トレンド指数をみると、先週の段階では短期的な小さな上昇トレンドとまでは言い切れませんでしたが、今週はそのようなトレンドが発生していると読み取れます。
ただし、上昇トレンド中であった6月前半のような水準ではなく、あくまでも直近の中では比較的上昇トレンドでした。
よって、ここからもまだボックス圏を上抜けするような勢いのある上昇トレンドではなく、ジリジリと上昇する短期的で小さな上昇トレンドであったと考えられます。
しかしながら、今週の日経平均株価の上昇や株トレンド指数が上昇傾向を示す通り、どちらの状況を勘案しても、先週のような下落リスクが多少残っているボックス圏の推移は抜け出したと考えられます。
もちろん楽観視はいけませんが、少なくとも日経平均株価が32,000円を割り込むようなボックス圏の下値に向かう推移ではなく、中心から上値に向かう推移に変化しています。
そのようなこともあり、同じ日経平均株価の4日続伸があっても、先週と今週では株式市場全体の水準が変わり、今週は一段上がったと読み取れます。
補足として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見る限り、需給バランスは以下の通りでした。
- 外国人投資家:大きく売り→やや売りに転換
- 個人投資家:やや買い→やや売りに転換
- 日本の機関投資家:やや買い→変化なし
先週の段階では外国人投資家の「大きく売り」が株式市場を牽引してしまい、方向感のなさや下落リスクを大きくしていました。
しかし、それが「やや売り」に変化しました。個人投資家もやや売りに転換していますが、直近の動向を見る限り、方向感のないボックス圏の動きに右往左往していると見受けられます。
日本の機関投資家も、それほど明確な方向性が出ておらず、個人投資家と、それほど変わらない動きをしています。よって、こちらもボックス圏の動きに右往左往している可能性があるでしょう。
そうなると、外国人投資家だけが「買い」と「売り」の変化を見せ、その動きで直近の株式市場が動いていると考えられます。
日経平均株価が上昇し始めた4月下旬以降を見ても、個人投資家が一度だけ大きな売りの場面が見られただけで、その他は外国人投資家だけしか変化していません。
そういった点をふまえると、来週以降に外国人投資家が大きな買いに転換するようなことがなければ、ボックス圏を上値に向かって、ジリジリと上下するような展開が想定されるかもしれません。
このように、今後の株式市場の動向は、株式市場全体の需給バランスがどうなるかが重要です。その上に、株トレンド指数のようなミクロの指数が乗っていますので、この需給バランスも引き続き見ていきましょう。
特に今は、外国人投資家の動きがキーになりそうな状況です。株式市場全体の需給バランスを見る際は、外国人投資家の動きを特に注意しながら見ていくのが良いでしょう。
そして、その動き次第で、株トレンド指数も直近のよな小幅な動きから大きな動きに変化しますので、その連動性も考慮しながら、ここからの株式市場を見ていくと良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/8/31(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ9/1前場時点のデータも含まれています)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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