日経平均とうとう32,000円割れし、そのまま緩やかに続落・・・週明けどうなる?~2023年8月18日版~

2023/08/18

 

とうとう、日経平均株価が32,000円を割り、31,000円台に突入しました。31,000円をつけるのは、約1ヶ月振りです。

月初につけた約33,400円をピークに、これまで下落してきましたが、32,000円台で下げ止まり、落ち着きを見せていました。

しかし、それがこのお盆期間中の出来高が少ないタイミングに、とうとう32,000円を割り、31,000円に突入しました。

ただし、約1ヶ月ぶりとはいえ、これが一時的なもので終わるのか、それとも5月下旬から6月上旬の水準に戻ってしまうのか、ここから予測が難しいところでしょう。

一時期の上昇の勢いが完全になくなり、緩やかに下落が続く日本株市場ですが、これからどのような展開になるのでしょうか。

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2023/8/3~2023/8/17の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違って日経平均株価と株式市場全体が、”あまり連動していない週”でした。

また、全体のトレンドの発生状況は比較的小さいものなので、この連動性のなさが株式市場全体の方向感の捉え方を誤らせるといったところまでは至らなかったでしょう。

ただし、そのような中でも今週後半は、少々厄介な状況でした。そのようなこともあり、目の前の株価の変動ではあまり影響はないかもしれませんが、現状の理解や今後の予測の仕方には影響が出るかもしれません。

なぜなら、8/16、8/17の株トレンド指数の内訳が、とてもイレギュラーな状態だからです。

週の前半は、8/10までの小さな上昇が収れんするような動きでした。そのようなこともあり、天井指数が8/10をピークに下がってきていることが分かります。

そして、この流れは8/16、8/17も続いているのですが、問題は天井指数以外の指数でしょう。

8/16は株トレンド指数の中で、空売り指数が最も目立っています。こうなると、ここから展開として多いのは、同じような状況が2~3日続き、突発的な上昇を迎えることです。

しかし、次の日8/17は空売り指数と底値指数が同数になりました。通常であれば、この展開も想定されないことはないのですが、今回に限ってはイレギュラーな状態と読み取れます。

なぜなら、8/17の空売り指数が「20」の水準に到達しながら、底値指数が上昇しているからです。

通常、このまま下落する場合は、空売り指数の水準はもっと小さくなり、底値指数の水準が上昇してきます。

今回はそのような流れはなく、底値指数にブレーキをかけるように空売り指数が同水準に発生しています。

つまり、これは方向感がまだ出ておらず、株式市場全体を牽引するようなトレンドが発生していないということでしょう。

底値指数がここに来て目立っていることもあり、株トレンド指数を基準に相場分析している人にとっては、この2日間をどう捉えてよいか難しいところだったかもしれません。

ですが、これがまさに直近の方向感のない動きを示していることになるでしょう。やや悲観的な部分は残りますが、まだ株式市場全体がどのように進もうとしているか決まっていないのが現状でしょう。

なお、日経平均株価を基準に相場分析する人には、ここは見えないところでしょう。もちろん、結果的にまだ方向感が出ていないなら見えていなくても良いと言えるかもしれません。

しかし、先週と今週だけを見ても、緩やかに下落してきているように見えるので、理由なしに「これから、さらに下落するのでは?」と怯え、日経平均株価が32,000円を割ると、理由なしに悲観的になるかもしれません。

つまり、このようなときほど、株式市場の内訳を理解しながら相場分析するか、それとも日経平均株価の推移だけで、何となく相場分析するかで、随分と差が出てしまうということです。

では、直近2ヶ月間の状況を見て、より状況を詳しくみてみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、ボックス圏を引き続き推移していると読み取れます。

株トレンド指数を見ると、先週まではボックス圏の中で上方向に向かおうとする動きが見られましたが、今週はそれがリセットされたことが分かります。

まさに、ボックス圏特有の方向感のない動きをしていることが、ここからも分かります。

また、先週の段階では、日経平均株価の動きを見る限り、ボックス圏の下値付近に向かっていましたが、今週は下値を目前とするところまで推移していることが分かります。

すでに7/12につけた31, 000円台の水準を下抜けしていますので、想定される下値は6/8につけた31,641円になってくるでしょう。

なお、この6/8の水準を8/17の時点で日経平均株価は下抜けしています。ただし、まだ完全に下抜けではなく、周辺をウロウロしている状況です。

出来高の少ないお盆期間であることを想定すると、週明けに完全に下抜けするか、それとも再上昇するかがポイントになってくるでしょう。

いずれにしても、株トレンド指数を見てもイレギュラーな状態だったように、出来高が少ないことが影響し、いつもと違う株式市場になっていることを加味して考えたほうがよいでしょう。

ちなみに、悲観的に見た場合の下値は、先週までの予測を下抜けし、31,000円割れの水準です。現状を見る限り、下落方向へトレンドが発生しているわけではないので、一気に到達することは考えにくいです。

しかし、万が一、通常の株式市場に戻ると考えられる週明けに、ズルズルと下がるようなことがあれば、このようなシナリオもあることを念頭においておくと良いでしょう。

このように先週までは、同じボックス圏でも上昇しようとしている動きが見られましたが、このお盆期間中にその勢いが消え、どちらかと言うと下落方向に動き出すリスクが出てきました。

ですが、これはあくまでも悲観的なシナリオの場合で、まだボックス圏を推移していますので、週明けにならないと、悲観的なシナリオに進むのか、それとも再び上昇の勢いが復活するのか分析するのは難しいでしょう。

それくらい今後の展開を読みにくい状態になってしまったのが、今週の株式市場です。

また、補足情報として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見る限り、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:わずかに買い→やや買いに転換
  • 個人投資家:やや売り→売りに転換
  • 日本の機関投資家:わずかに売り→売りに転換

全体的には、売りのほうが優勢な状態です。一時膠着状態のときもありましたが、やはりお盆休みの流れを組んだのか、日本の投資家たちがポジションを持たないようになり、やや下落方向に動いていると予測されます。

ですが、これはお盆休みが影響していると思われますので、来週になると日本の投資家たちの動きが変わり、通常の株式市場の動きになってくるかもしれません。

よって、週明けはどちらに動くと予測するのではなく、イレギュラーな状態から通常モードに戻ると、どのような株式市場になるかを様子見していく週になるでしょう。

そして、そのときのポイントは、このままボックス圏の下値の目安を下抜けし、そのまま下落トレンドに入るのか、それとも先週までのようなボックス圏の中でも上昇の勢いを保つようになるのかでしょう。

この判断は日経平均株価だけを見ても全く分かりません。株トレンド指数の内訳を見ることで判断できますので、引き続き週明けも株トレンド指数の動向を十分に見ていきましょう。

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2023/8/17(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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