健康一番のワークライフバランスとは

2024/04/29

・昨年、健康経営に関する2つのフォーラムを視聴いた。筆者の今の生活は健康一番である。若い時は仕事一番であったが、ある時から家庭一番に変えた。そうしたら、仕事もできるようになった。今や健康一番をベースに仕事もやっている。

・健康経営がなぜ注目されているのか。人口減少社会で高齢化が進み、医療費の増大が国民への福祉と同時に、財政的負担となっている。国民には健康でいつまでも働いてもらいたい。企業も社員の健康を確保できなければ、価値創造が十分できない。

・人手不足時代である。社員の健康に十分配慮して働き甲斐のある会社に人材は集まる。生産性を高めるにも、健康な社員に思い切り働いてほしい。

・健康は3つの側面からみていく必要がある。①社会、②身体、③精神の面で、人々の健康は大事にされているか。社会は働き方を支える仕組みである。身体的な病気や精神的な病気になっては、十分な力を発揮できず、働くことも難しくなる。未病段階で早めに対応する仕組みが企業に求められる。

・ガミガミ言われて、嫌々やる仕事がうまくいくはずがない。自分で納得してポジティブに頑張りたくなれば、苦労があっても乗り越えられる。

・働くインセンティブ、ワークモチベーションをどのように作りだしていくかが経営のカギである。健康経営は広く整えられる必要があり、やりがいからみたワーク・エンゲージメント、さらにはウェルビーイングへ結び付いていく。

・人を使い倒すようなブラック企業では働きたくない。法的にも厳しく律する必要がある。社員がきびきび働いている会社は、訪問して見学してしても気持ちがよい。社員の働き方は企業価値に直結していくので、投資家にとっても重大な指標となる。

・従業員にとって、高賃金で、知的で、多様な働き方を長期で保証してもらえるなら、こんなにいいことはない。一方で、低賃金で、画一的で、単純な仕事を短期でしか勤めらないとすれば、それは苦しい働き方となろう。

・ここに格差が生まれてくる。いわゆる、できる人材とそうでない人材では差が広がっていこう。企業からみると、できる人材だけほしいが、そうはいかない。人事評価で、できる人材だけを優遇しても会社はまわらない。

・差があるとしても、評価の低い人材の底上げをいかに図るか。カルチャーの中で、育成しつつ、そうした人材もレベルアップさせていく。その上で、適材適所を進めている会社の方が伸びそうである。

・ウェルビーイングとは、幸せに通じる生活満足度としての良さを意味する。ダイヤ精機の諏訪社長は、先代(父)の跡を継いだ後、会社を立て直す中で社員との対話を通して、価値観の共有を図ってきた。

・自らカウンセラーの資格をとって、社員と交換日記を続けた。話す時に、正面に立たないことにした。ほめることは悪いことではないが、やはり上から目線である。それよりも、ありがとうという感謝の気持ちの方が、同じ目線にあり、社員とつながることができるという。

・人は、にこにこ顔が好きである。楽しいから笑うとい面と、笑うから楽しくなるという面もある。この方が、影響は大きい。笑顔でストレスを発散することができる。1対1の面談では、社員と悩みを共有していく。自ら常に夢を語って、その上で目標を設定していく。諏訪社長は、女性経営者としてユニークな経営を実践している。

・東大の池谷教授(薬学)は、かつて研究室では、叱るばかりでほめることをしなかったという。ある時、笑う練習を始めた。しかめっ面は顔の筋肉をいっぱい使う。笑う方が少ない。笑顔で楽しいという雰囲気を重視するようになった。

・でも、仲良しクラブではないという、大切なのはビジョンで、それを追求する。やりがいを通して、楽しさが生まれてくる。これがウェルビーイングにつながると指摘した。

・ウェルビーイングは、1)本人の気持ち、2)他の人との関係、3)自らの成長、4)何らかの目標、5)自分に合った環境、6)自主性の発揮、がよい方向で実感できる時に高まる。

・笑顔になるには、①いいことはある、②いいことをする、③いいことを探すことによって、生まれるという。楽しいことを想像していると、モチベーションが高まる。

・思い出し笑いを続けているだけで、性格が前向きになる。性格がポジティブになるには、まず動くことである。体を動かすことで五感が刺激を受ける。互いを気づかいつつ、夢を持つことの重要さを強調した。

・予防医学研究の石川氏(医学博士)は、ウェルビーイング(生活満足度)をより重視せよと提言する。1人当たりGDP+well-beingを新しいKPIとして社会をみていく必要があるという。

・ウェルビーイングの向上にもっと務める必要があり、ウェルビーイングの悪化は、国、社会、組織、企業を悪化させる。主観的ウェルビーイングを測定してみると、日本は悪化している。国単位では、1)経済成長、2)民主化、3)社会的寛容、によってこれが決まる。社会的寛容とはダイバーシティ&インクルージョンで、差別をしないことである。

・日本は、この社会的寛容度が落ちている。大人も子供もシニアも、もっと居場所をたくさん持つ必要がある、と石川氏は指摘する。居心地のよい場所をデジタル空間も含めて増やす。充実感を得られる居場所がないと希望が湧いてこない。いろんなつながりが可能性広げよう。

・人生100年とすると、90歳まで働く時代が来る。働き方は多様なので、社会との関りの中で、社会に貢献し、何らかの収入を得つつ、自らも社会やコミュニティの世話になるという相見互いの文化創りである。健康一番の意味は深い。健康経営を実践する企業の次の一手に注目したい。

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