日経平均また27,000円前半まで下落し方向感なく停滞…週明けどうなる?~2023年2月24日版~
日経平均株価が再び、27,000円前半まで下落し、ますます方向感が分からなくなってきました。
一時は、約27,700円まで上昇したこともあり、このまま28,000円を目指して上昇するのではないかと考えた人も多いことでしょう。
直近の株式市場は、明確な方向感がなく、日経平均株価を基準に見ても、株式市場が上昇しようとしているのか、下落しようとしているのか、判断がつきにくい状態が続いています。
そのようなこともあり、ここから株式市場は、いったいどちらに向こうとしているのか心配な人も多いでしょう。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/2/9~2023/2/22の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が、お互いに反対方向に動いていると言っても良いほどの”連動していない”状態でした。
おそらく、ここまでお互いが反対方向に動くのは、年間でも珍しいと考えられます。先週後半から、株式市場全体の中では、上昇傾向が最もあるにも関わらず、日経平均株価は小幅上昇もしくは下落しています。
具体的に見ると、今週前半の2/20、2/21は上昇のパワーが株式市場全体を牽引するほどには至っていないものの、全体としては上昇傾向があるタイミングでした。
しかし、日経平均株価は小幅上昇と小幅下落で、ほぼ横ばい状態でした。
また、円単位でみると、直近の中では約370円とやや大きく変動したように見える2/22も、日経平均株価を見ると、下落した印象があるかもれませんが、株式市場全体は違っていました。
あくまでも、前日までのトレンドの発生が収束し、無風状態に近いところまでトレンドがなくなっただけです。
つまり、この下落は株式市場が急に下落方向に動きたのではなく、先週半ばからの上昇がいったん落ち着いた状態と読み取れます。
クルマで言えば、ブレーキを掛けたのではなく、アクセルを踏むのをやめて原則した状態と言えるでしょう。
このように、今週の株式市場は、トレンドが株式市場全体を牽引するようなものではないものの、日経平均株価と株式市場全体が全く反対方向に動いている週でした。
おそらく日経平均株価を基準にトレンドを考えている彼らにとっては、今週は停滞の中から、下落したという分析をしたでしょう。
しかし、私たちのように株トレンド指数を基準に分析している人にとっては、先週からの小さな上昇トレンドが続き、2/22でいったんそれが収束したと分析できます。
そういった意味では、現時点の株式市場の捉え方が、全く違っていたと考えられます。
ただし、先週から今週前半に掛けての上昇は、それほど大きなものではありません。よって、個別銘柄ベースで見た場合、どの銘柄も上昇したのではなく、ごく一部の銘柄が上昇傾向にあったでしょう。
そのようなこともあり、結果的には、日経平均株価を基準に相場分析しても、株トレンド指数を基準に分析しても、それほど損益状況には影響がなかったと考えられます。
ですが、ここまでキレイに反対方向に動くことは少ないものの、こういった反対方向に動く場面は、よく身られます。しかも、そのような場面は下落時よりも、今回のような上昇時によく見られます。
今の時点では、損益状況に影響は少ないですが、再び同じようなことがあったときには、たった1日違いで損益状況が変わりますので、十分に注意が必要でしょう。
では、現状を詳しく理解するために、直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。今週の株式市場は、日経平均株価を基準に見ると、2/22の下落があったことで、先週までよりもやや低い水準に到達したと考えられます。
しかし、あくまでも長期のボックス圏を推移していることをふまえると、先週がボックス圏の中心点で、そこからボックス圏の下値に向かって下落したのが2/22だと考えられます。
円単位で見ると、約370円の下落ですが、割合で見ると1.34%の下落です。この程度の下落は、小幅下落と捉えられるので、悲観的な下落と考えなくても良いでしょう。
また、株トレンド指数の発生状況を見ると、先週に続き天井指数が目立っています。そして、先週の天井指数よりも、更に大きく上昇したのが今週でした。
この状況を見る限り、先週の段階では、2/16をピークにした上昇トレンドで終わる可能性もありましたが、今週がピークの短期的な上昇トレンドが発生していたことがわかります。
そして、その流れの中、2/22に一気にトレンド収束しました。再び2月上旬の水準まで戻っています。
この状況を見ても、日経平均株価の動向の通り、いったんボックス圏の上値付近まで上昇したものの、結果的には中心付近まで下落し、そのまま下値付近まで下落していると考えられます。
よって、これらの状況を見ても、やはりボックス圏を抜け出すことなく、引き続き長期のボックス圏を推移していることが読み取れます。
そうなると、ここからポイントになるのは、週明けに再びボックス圏の中心付近を推移、もしくは上値付近まで上昇するか、それとも下値方向に向かうかでしょう。
当たり前のことになってしまいますが、この3つの選択肢のうち、どの方向に動くかで、今後の株式市場の展開が変わるでしょう。
今は、ボックス圏の下値付近にいる状態です。もし、週明けに、さらに下がるようなことがあれば、1月の株価水準まで戻る可能性もあります。
週明けは、ボックス圏の水準を左右する重要な週になるかもしれません。ここで維持、上昇するか、更に下落するか、このあたりを目安にしながら、週明けの株式市場に注目すると良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/2/22(水)の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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