吉野家<9861>2月末権利確定日予定…昨年の安値更新から上下を繰り返し、直近は年始からの上昇が止まり横ばいに推移中…権利確定で株価どうなる?
2月末日に株主優待権利確定日を予定している吉野家ホールディングス<9861>。人気の優待銘柄は、確定日が近づくと権利獲得に向けた買いなどが集まり、株価が変動しやすい傾向があります。
同社は、昨年7月に年初来高値を更新しましたが、その後は下落に転じ10月には年初来安値を更新しました。そこから短期的な上下を繰り返し、現在は年始からの短期的な上昇トレンドが、ここからどうなるかの分岐点にいます。
そのよう中、同社は今月末に権利確定日を迎えます。これから株価はどのように推移する可能性があるのでしょうか?
吉野家ホールディングス<9861>の優待権利確定前後の株価動向は?
では、権利日前後10日間(2月下旬~3月初旬)で、同社の株価は、例年どのような傾向が見られるのでしょうか?そのデータ分析の結果がこちらです。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
2000年から2022年の株価の推移を見ると、上昇傾向が4回、下落傾向が17回、変わらずが2回見られます。 この数字を見る限り、明確に下落傾向があると読み取れるでしょう。
変動幅を見ると、10%以上の変動は、2014年の1回のみです。その他は、大きくても下落時に8%程度にとどまっています。
それに対して、5%以内の変動は、変わらずも含めると17回見れられます。つまり、もし下落してもそれほど大きな下落にはならないと考えられます。
これらを考慮すると、同社の株価は、この時期に全体として下落傾向があるものの、それほど大きな下落にならないと考えられるでしょう。
ただし、過去に1度だけ10%以上の下落や、8%前後の下落は複数回見られますので、5%以上の変動の勢いがある場合は、このあたりまでの下落を想定したほうが良いかもしれません。
では、同社の株価は、権利確定前後の期間でどれくらいの範囲で株価が推移する可能性があるのでしょうか?
吉野家ホールディングス<9861>の権利確定後の株価は?
データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。
【予想変動幅(率)】-4.38%~2.21%
これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は2.21%、下落幅は約4.38%と考えられます。現在の株価(2/13終値2,374円)で計算すると「2,270円~2,426円」の範囲で変動すると考えられるでしょう。
上昇の変動幅目安に到達した場合は、昨年7月につけた年初来高値には届かないものの、直近の価格帯から、一段上の価格帯に推移します。
また、これで200日移動平均線を上抜けします。そうなると、一気に年初来高値更新には届かないものの、直近の短期的な横ばい状態を抜け出し、新たな展開を迎えると考えられます。
反対に、下落の変動幅目安に到達した場合は、現在の株価の下位にある、25日・75日移動平均線を下抜けします。
昨年10/13につけた年初来安値2,176円までは下がらないものの、今年の年始から続いた短期的な上昇トレンドが、これをきっかけに収束する可能性が高いでしょう。
各移動平均線を下抜けすることもあり、再び上昇するにはしばらく時間が掛かると考えられます。
このように同社の株価は、権利確定後に全体として下落傾向が強いこともあり、直近の方向感がない中から、下落方向に動くことが想定されます。
しかし、その一方で、この横ばいが年始から上昇トレンドの調整局面とも捉えられますので、傾向から見ると確率は低いですが、上昇の可能性もあります。
どちらの動いても、ここから新たな展開が想定されますので、直近の横ばい状態をどちらの方向に抜けるのか、慎重に見極めるのが良いでしょう。
また、このようなときは、本当にどちらに動くか分からないので、一方向に動くことを考えたり、方向感が出る前にムリに仕掛けず、方向感が出るまで待つのも選択肢でしょう。
ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。
※本記事は2023/2/15時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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