バイデン米大統領の目覚ましい100日(前編)
「就任後100日」は合格
「100」は重要な数字です。米国の大統領就任後「100日間」も、伝統的に多くの注目を集めます。4月末、バイデン政権はこの節目を迎えました。これまでの実績に対しては、合格点を与えるべきでしょう。
実際、現大統領の支持率は、トランプ前大統領を大きく上回っています(図表1)。また、就任前後の米国株も、前政権時をしのぐ上昇を見せています(図表2)。バイデン政権は、金融市場が嫌気する増税も提案していますが、同政権のインフラ投資策やウイルス対策への期待が、増税懸念を上回っているのです。
中でもウイルス対策が順調
バイデン氏も、「100」への強いこだわりを持っています。それを表すのが、喫緊の課題であるコロナウイルス対策です。「就任後100日間で1億(=100million)回のワクチン接種」を、目標に掲げたのです。
この面における実績は、現時点で大成功と言えます。目標の2倍(2億回)の接種を、100日足らずで実現したのです。それらの結果、バイデン氏のこれまでの実績のうち、コロナウイルス対応は最も高い支持を得ています。ウイルスを侮ったトランプ前大統領の失脚は、やはり米国民への福音だったようです。
経済面でも「幸運」を享受
ただ、トランプ氏も、自国のワクチン開発には前向きでした。その成果が、バイデン政権のもとで顕在化したのです。この意味で、同政権の成功には、幸運やタイミングに恵まれたことも寄与したと言えます。
経済面でも、バイデン氏は幸運に恵まれました。米経済は昨年、コロナウイルスのため一旦急激に落ち込みました。その反動による今年の景気回復(生産・消費が昨年比増)は、ほぼ確実でした。仮にワクチン接種がやや遅れたとしても、人々が感染下の生活に適応するにつれ、経済は最悪期を脱したはずです。
経済対策が成長率を押上げ
むろん、バイデン氏は、幸運のみに頼っていたわけではありません。現金給付などを含む1.9兆ドル規模の経済対策を、大統領就任前に発表したのです。これは微調整を経て、3月に法律として成立しました。
この経済対策、ワクチンの普及、昨年の反動で、米国の国内総生産(GDP)は今年、6%超の伸びが予想されます。トランプ政権が続いていたならば、それほどの高成長は難しかったでしょう。トランプ氏・共和党は、インフラ投資やウイルス対策に関し、バイデン氏・民主党ほどには積極的でなかったからです。
気候問題においても合格点
それ以上に、バイデン氏とトランプ氏との明確な対照を示しているのが、気候問題についてです。地球温暖化の事実を直視しないトランプ氏に対し、バイデン氏は「気候変動は最大の脅威」と断言するのです。
この問題への初動は、バイデン氏の基本スタンスを象徴しています。トランプ氏が離脱を決めたパリ協定(温暖化抑制のための国際協定)に関し、大統領就任初日、バイデン氏は復帰を宣言したのです。そのように多国間の関係を重視するバイデン氏の姿勢には、世界中の平和主義者も、合格点を与えるでしょう。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/topics/
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