来週の金融市場見通し(2016年8月22日~2016年8月26日)

2016/08/19

■来週の見通し

7月の米小売売上高や米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことなどから、米利上げ観測がやや後退しています。もっとも、ニューヨーク連銀のダドリー総裁やサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、米国の経済状況を考慮すると、9月に利上げが決定される可能性はあるとの考えを示しました。米金融当局者が9月利上げの可能性を相次いで示唆しているのは、早期の利上げ観測が後退している市場の見方を修正しようとする意図もみえます。26日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演で、同様の考えが示されると、市場は早期利上げに備える動きになる可能性があります。

◆株価 : 一進一退

米利上げ観測の後退などからドル円が弱含んでいることや、日銀が上場投資信託(ETF)買入れを見送ったことなどから、やや値を下げる動きになりました。もっとも、日銀はETFの買入額を倍増させていることから、下値も限定的。騰落レシオは87とやや売られ過ぎの水準で、下落する場面では押し目買いも期待できそうです。来週は週末にイエレンFRB議長の講演、4-6月期の米国内総生産(GDP)改定値の発表を控えることから、底堅いものの方向感は出にくそうです。

株0819

◆長期金利 : 低位もみ合い

長期金利はマイナス0.1%を下限とする狭いレンジでの動きになっています。5年国債入札が順調な結果になったことは買い安心感に。来週の20年国債入札が良好な結果になると、一段と安心感が広がり、長期金利がマイナス0.1%を下回る可能性も。もっとも、株式、為替市場ともに週末のイエレン議長の講演待ち。債券市場についても、方向感は出にくそうです。また、日銀の金融政策についての総括的な検証(9月会合)を確認するまでは、動きにくい状況が続きそうです。

債0819

◆為替 :  イエレン議長の講演待ち

ドル円は、米小売売上高が予想を下回ったことなどを受け米利上げ観測が後退する中、仕掛け的な円買い・ドル売りも加わり、ドル円は一時100円を割れる動きに。ただ、99円半ばに近づくと押し戻される展開で方向感は出ず。米金融当局者から9月利上げの可能性を示唆する発言が相次いでも、為替市場は反応薄の状況です。来週も米金融政策にらみ。米中古住宅販売など米経済指標で米金融政策の方向性を占いながら、週末のイエレン議長の講演を待つことになりそうです。

円0819

来週の注目点

米GDP統計(16/4-6月期、改定値) 8月26日(金)午後9時30分発表

4-6月期の米実質国内総生産(GDP)は、7月末に速報値が発表され、前期比年率1.2%増となりました。改定値についても、ほぼ同程度の伸びが見込まれます。

速報値は、2%台半ばを見込んでいた市場予想を大幅に下回りました。個人消費が好調である一方、設備投資が低調で、こうした姿は改定値でも再確認されそうです。

ただ、雇用情勢は良好であることから、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利上げを行う可能性は残っています。とはいえ、GDPが伸び悩む中、今回の改定値が大幅に上方修正されない限り、9月の利上げは困難とみられます。

なお、利上げの時期やペースを探る上では、同じ26日に予定されている、イエレンFRB議長の講演も非常に注目されます。

辻0819

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